キーロフ・オペラ《運命の力》
  2000年2月3日(木)15:00 びわ湖ホール

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 以前から書いているように、僕はヴェルディが苦手。
 特に中期の作品はほとんど聴いていなくて、《運命の力》と《ドン・カルロ》の区別も付かなかったほど。
 どちらにもドン・カルロが出てくるでしょう (^_^;?

 平日の3時開演というとんでもない時間の公演なんですが、びわ湖ホール、ゲルギエフの魅力もあって、仕事は人任せにして行って来ました。

 ガラガラのホールでのんびり見ようと気楽な服装で行ったんですが、驚いたことに会場はほぼ満席状態でした (@o@) 。

 ロビーには『本日のレオノーラ役に予定されておりましたガリーナ・ゴルチャコーワは、昨年末の事故で負傷した歯の治療が思わしくなく、現在、歌を歌える状態にはありませんので‥‥』という掲示がありました。

 そうそう、冬の琵琶湖ということで、雪に埋もれた景色を期待して行ったんですが、比叡山にも雪は見られませんでした (^_^;。
 ネスカフェとキットカットは400円でした (^_^) 。

      キーロフ・オペラ《運命の力》
  2000年2月3日(木)15:00 びわ湖ホール

     演出:エライジャ・モシンスキー
     指揮:ワレリー・ゲルギエフ
  
    レオノーラ     :イリーナ・ゴルディ
    ドン・アルヴァーロ :ゲガム・グリゴリアン
    ドン・カルロ    :ニコライ・プチーニン
    プレツィオジルラ  :マリアンナ・タラーソワ
    グァルディアーノ神父:イルダール・アブドラザーコフ
    フラ・メリトーネ  :ゲオルギー・ザスターヴニィ

 心配半分で出かけたヴェルディですが、キャストの素晴らしい歌声で、このオペラを大いに堪能させていただきました。
 特にドン・カルロ役のプチーニンは立派な声でしたね。

 代役のイリーナ・ゴルディはメゾに近い声質で、ピアノの部分では少し不安定か?と思うところもありましたが、第4幕のアリアは聴かせてくれました。
 最後の盛り上がりで、オケの壁を突き破って声が飛んでくるのは感激もの。
 曲が終わる前に盛大な拍手が始まったのは、ゲルギエフに『すぐ次には行かせないぞ』という観客の意思の表れでしょうか (^_^) 。

 モシンスキーの演出はオーストドックスで格調高いもの。
 ゲルギエフの音楽も良かったんじゃないでしょうか。
 少しスラブっぽいかな?とも思ったんですが、このオペラにはこういう濃厚な音楽が合うのかも。
 何せこれが初めて見る機会なので、較べる対象がありませんから (^_^;。

 僕はカルロス・クライバーの《ラ・ボエーム》とかジュセッペ・シノーポリの《マノン・レスコー》では、舞台より指揮者に見とれていたものですが、ゲルギエフはそれほどではありませんでしたね。

 不満があるとすれば、例によってストーリー。
 特に第4幕ね。
 ドン・カルロって、何年くらい父の仇としてアルヴァーロとレオノーラを追っていたのでしょう?
 少なくとも5年以上。 8年? 10年?
 その原因がですね、放り投げた拳銃が暴発したためだというんだから、気の毒な人生です。

 さて、びわ湖ホールのおかげで《ドン・カルロ》と《運命の力》の区別が付くようになりました (^_^) 。
 でも、どちらも珍しい初演版というところがおかしい。
 今回の序曲(初演版では前奏曲?)なんか、ずっこけました (^_^;。
 次の機会には、スタンダード版も見なくてはいけませんね。     
 
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