ミュージカル座 《ゴーストミュージカル》
2000年4月30日(日)

ホームページ  「REVIEW00」
 

 ミュージカル座《ゴーストミュージカル》

    2000年4月30日(日)
  12:00(B)/16:30(A)
       六行会ホール

 《ルルドの奇跡》以来注目しているミュージカル座の公演。
 今回は95年(?)に初演された《ゴーストミュージカル》の再演です。

 14歳の少年メルはプールで溺れて死んでしまった。
 やがて彼の回りには同じように死んだばかりのゴーストたちが現れる。
 タクシー運転手、野球選手、美大生、おじいさんとおばあさん等々。
 彼らは天使の案内で、自分たちの人生を振り返る。

 ということで、この作品は《コーラスライン》や《夢から醒めた夢》を思い出させるミュージカルでした。
 しかし彼らの語る人生はあまりにも型通りのもので、お約束通りに作られたストーリーという印象は拭えません。
 なかなかゴースト物に現実感を持たせるのは難しいようで、ある程度成功しているのは音楽座の《とってもゴースト》くらいでしょう(と僕は思う)。

 メル役はBキャストの村上由香さんが子役が得意というだけあって(見るからにカルキン君 (^_^) 、この役にぴったり。
 Aキャストの伊東さんは美人で女らしい分、無理に少年役を作っているような印象を受けました。
 オカマの運転主役の竹本敏彰さん、プログラム写真とのあまりの違いに驚きました (@o@) 。

 この作品には《アイ・ハヴ・ア・ドリーム》のようにセリフ過多という印象を持ちましたが、これらの作品はハマナカ&山口コンビ初期の作品で、舞台芸術学院の学生のために作られた作品なのでしょうか?
 それなら、できるだけ多くの学生にセリフを与えるために、このような構成になっているのもある程度理解できます。
 しかし、最後に生き返るメルとのお別れを全員にさせたのはいかにも冗長で、いい加減にしてほしかったですね。

 山口さんの音楽は数が少ない(24曲)のは残念でしたが、主題歌の『ミラクル』など魅力的な曲も多くありました。
 8月の《ママ・ラヴズ・マンボ》、秋の新作、そして来年2月には待望の《ルルドの奇跡》の再演と、ハマナカ&山口コンビの作品は見逃すことが出来ません。

 プログラムに伊東恵理さんが『ミュージカル座の作品が日本全国の人々と、そして世界の人々と出会える日が来ることを心から願って‥‥』と書いておられますが、僕もミュージカル座の作品(特に最近の新作)は、世界のどこに出しても恥ずかしくないミュージカルだと確信しています。
 
 
ホームページ  「REVIEW00」