大須オペラ 《ザ・芸者》 全二幕 2000年7月13日 19:00開演 大須演芸場 |
今年も『大須オペラの夏』が巡ってきました。 大須オペラは『いま甦る浅草オペラ』のうたい文句で、これまで 《ミカド》 《ゴンドリエーリ》 《ボッカチオ》 《ペンザンスの海賊》 《カルメン》 《軍艦ピナフォア》それに昨年はサルスエラ《嘆きの聖母》と公演を重ね、名古屋の夏の風物詩としてすっかり定着していることは先刻ご承知の通りです。 メトロポリタンオペラやスカラ座でも見ることが出来ない、世界唯一の特色あるオペレッタハウス(まあ演芸場なんですが (^_^ゞ )として全国のオペレッタファンからも注目され、遠くからも観劇に来られる方が多くなっています。 今年の演目はシドニー・ジョーンズ作曲の 《ザ・芸者》 という珍しい演目の日本初演。 7月30日までの長丁場です。
大須オペラ 《ザ・芸者》 全二幕 大須演芸場 2000年7月13日 19:00〜21:40 (幕間休憩10分2回) 作曲:シドニー・ジョーンズ 台本:オウエン・ホール 作詞:ハリー・グリーンバンク 演出・台本:岩田信市 編曲・指揮:宮脇 泰 演奏:シアター管弦楽団 芸者おミモザ:杉山佳重 コンスタンス夫人:柴田しのぶ ジュリエット:桂 元枝 モリー:高木和子 フェアフアックス:間瀬礼章 ワン・リー:野口登志 イマリ侯爵:原 智彦 カタナ:佐藤裕二 僕は当然ながら《ザ・芸者》というオペレッタも、シドニー・ジョーンズという作曲家も知らなかったんですが、芸者とイギリスの水兵とは、まったく大須オペラのために作られたような作品ではありませんか (^_^) 。 全員で歌って踊る『チョンキナ』なんか、狭い舞台が揺れるような大騒ぎです。 『チョンキナ・チョンキナ・チョンチョンキナキナ・長崎・横浜・函館・ホイ!』って、CDで聴いても笑ったけれど、原曲は日本の俗謡なんだそうです (@o@) 。 主役カップルの芸者オミモザさんと水兵フェアフアックスにそれぞれ別の恋人がいて、最後はそちらと結ばれる、というところがストーリー的には少し弱いところでしょうか。 でも、蝶々さんのように一方的な被害者ではないところが、女性客には受けるのかな? イマリ侯爵に想いを寄せるフランス娘の気持ちは、ちょっと分かりませんね。 人気者の間瀬礼章さんは純粋二枚目で、例年のようなコミカルな演技が無いところが残念といえば残念。 でも、第一幕のアリアは美しかったですね。 《ザ・芸者》の初演は1896年(ちなみに《ミカド》は1885年、《蝶々夫人》は1905年)。 19世紀末のロンドンに行って、この舞台を見てみたかったものです (^_^) 。 僕も千秋楽は確保してあるんだけれど、何回も観てみたい舞台です。 とはいえ、《RENT・来日公演》とかいろいろあって、なかなか行ける日がありません。 ◇ 7月30日 『千秋楽』 7月30日は《RENT・来日公演》の千秋楽だったんですが、大須オペラ《The・芸者》も千秋楽でした。 まあ、例年通りの盛り上がりで大いに楽しんだんですが、千秋楽の趣向としてオケの女性の化粧がラメ入りでケバかった。 中でも最もケバかったコントラバスに聞いてみたところ『無理矢理させられちゃったんですよ〜』とのことでした。 パーカッション奏者(なかなか美人)は、第三幕はチャイナドレスで演奏してました。 アンコールはもちろん延々と続き、終演後は大須演芸場前でビールパーティとなりました。 「大須演芸場危うしと」の報道があり、演出の岩田さんに「師走歌舞伎もこの劇場で見ることが出来ますか?」 と聞いたところ「たぶん大丈夫でしょう」 との返事でした (^_^) 。 大須演芸場がつぶれないことを祈るばかりです。 オヤジ狩りにあった鵜飼さんも元気に出演していましたが、顔の傷跡が痛ましいことでした (-_-) 。 |