ディズニー・ミュージカル 《アイーダ》
2000年8月11日8:00PM パレス劇場

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 僕はディズニー・ミュージカルにはあまり興味がないんだが、オペラファンとしてヴェルディの《アイーダ》がミュージカル化されたとあれば、見ないわけにはいかないじゃないか。

 まあ僕はヴェルディ嫌いで、オペラ《アイーダ》も実際には一度しか見たことがないんだが (^_^;。

    《AIDA》2000年8月11日(金)8:00PM
         PALACE THEATRE

        AIDA:HEATHER HEADLEY
    RADAMES:MATT BOGART   (standby)
    AMNERIS:KELLI FOURNIER(understudy)

 アイーダ役のヘザー・ヘッドリー(NHKの表記による)は驚異的 (@o@) 。
 《オペラ座の怪人》の山口祐一郎、《サンセット大通り》のエレイン・ペイジ、《ジーザス・クライスト・スーパースター》のスティーブ・バルサモに続く、『こんな人が実在するのか!』という驚き。
 アイーダ役が別の人だったらこの作品に対する評価も変わってしまうだろう。

 キャラクター的にはやたら気の強い女で、僕がラダメスならこんな女は願い下げだな (^_^;。
 オペラのアイーダは、慎ましく、ラダメスを密やかに愛している女性だから。

 ラダメス役のマット・ボガートは、ロジャータイプ。
 彼に不満はなかったが、やはりアダム・パスカルの変貌を見てみたかったね。

 アムネリス役のケッリ・フォーニエルも良かった。
 オペラのアムネリスは憎々しい嫌われ者だが、ミュージカルのアムネリスは結構かわいいキャラクター。
 ラダメスとの結婚式を控え、自分が愛されていないことを知りながらウェデイングドレスに着替えていく『I KNOW THE TRUTH』というナンバーには、彼女の心中を思って泣けた。

 台詞と歌で綴られた作品だが、台詞の部分が退屈(特に第一幕)。
 他の客が笑っているので面白い台詞もあるのだろうが、内容不明 (^_^;。
 これは日本公演を待つしかないか。

 しかし、日本でアイーダ役を歌える人がいるのだろうか?
 最高のものを見てしまうと、普通の上演では満足できなくなるという副作用があるからね (^_^;。

 プールの大仕掛けは無くてもいいけれど、ディズニーらしいファンサービスか。
 客席はどよめくね。僕も楽しんだよ (^_^) 。
 ダンスやファッションショーは少し長すぎるかな?
 まあ、こういうのが好きな人もいるんだろう (^_^) 。

 オペラで有名な『凱旋の場』はなかった。
 ここがディズニーの見せ場かと思っていたが‥‥。

 アイーダとラダメスはオペラでは地下の石室に閉じこめられたはずなので、石棺に横から入るのは意外だった。

 ラダメスはなぜ舟で父親と逃げるアイーダを引き止めるのだろう?
 その結果として、二人で生き埋めなんだからね。
 逃がしてやれば良かったのに。

 最後のシーンは《RENT》なんだか『時をかける少女』なんだか (^_^;。
 アムネリスの歌は必要だから、まあいいんじゃないかな (^_^) 。

 見終わってから《RENT》や《ルルドの奇跡》のような耳に残るメロディーに乏しいのがこのミュージカルの難点か。
 ヘザー・ヘッドリーの声ばかりが思い出されて‥‥。

 しかし、このミュージカルは同じディズニー制作とはいっても《美女と野獣》や《ライオン・キング》のようなお子さまミュージカルとは違い、充分大人の鑑賞に耐える作品だ。
 僕はトニー賞を取ってもいいミュージカルだと思うし、この作品が作品賞にノミネートもされないトニー賞なんておかしいと思う。
 
 
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