『浜田理恵プルミエ・コンサート』 愛知芸術劇場コンサートホール
2000年10月3日(火)7:00PM

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 バスティーユを始めとするフランスのオペラハウスで活躍している浜田理恵さんは、フランスと日本に暮らしておられるようで、名古屋市千種区在住。
 自宅は『茶屋が坂』の辺りにあるらしい。
 と書いても誰も分からないと思うけれど、これは我が家の近くなんだな (^_^ゞ。

 日本での活動も、NHK交響楽団の《火刑台上のジャンヌ・ダルク》、びわ湖ホールの《ドン・カルロ》などが好評を博しています。
 その浜田さんの日本での初めての本格的コンサートが開かれました。

    『浜田理恵プルミエ・コンサート』
    2000年10月3日(火)7:00PM
    愛知芸術劇場コンサートホール

   指揮:西本智実
   演奏:名古屋フィルハーモニー交響楽団

   トーマ 《ミニヨン》 序曲
   トーマ 《ミニヨン》 君よ知るや南の国
   マスネ 《マノン》  さようなら、小さいテーブルよ
   マスネ 《タイスの瞑想曲》
   シャルパンティエ 《ルイーズ》 あの日から

   プッチーニ 《妖精ヴィッリ》 もしも私が小さい花ならば
   マスカーニ 《カヴァレリア・ルスティカーナ》 間奏曲
   プッチーニ 《ラ・ボエーム》 私の名はミミ
          《トゥーランドット》 氷のような姫君の心も
          《修道女アンジェリカ》 間奏曲
          《蝶々夫人》 ある晴れた日に
                   蝶々さんの死
   プッチーニ 《ジャンニ・スキッキ》 私のお父さま
   カタラーニ 《ワリー》 遠く離れて

 これは期待通りの素晴らしいコンサートでした。
 何という充実した声でありましょう。

 演奏の素晴らしさを言葉で表現するのは難しいんですが、何はともあれ、彼女が歌い出すと理屈抜きでゾクゾクしちゃうんですよ。
 中でも《ラ・ボエーム》と《ワリー》が良かったでしょうか。

 また、彼女は舞台姿が美しい。
 以前に普段着姿を見たときは、普通のおばさん風に見えたんですが (^_^;、さすがの舞台人です。

 指揮の西本智実さんは、宝塚の男役のようなルックス。
 若い女性とは思えぬスケールの大きい音楽で、《蝶々夫人》のフィナーレなど大変な盛り上がりでした。
 週刊文春によれば、プロフィールに対する疑惑は残るものの (^_^;、その将来には大いに期待したいと思います。

 残念だったのは、この素晴らしい演奏に較べ客席が寂しかったこと。
 50〜60%かな。

 思い返せば、その昔、名古屋市民会館で開かれたギュンター・ヴァントの演奏会。
 驚異的なブルックナー「交響曲第8番」も、客席はガラガラでしたね。
 ヴァントは今では神格化されているけれど、演奏はあの頃の方が良かったと思いますよ。

 ヴァントはさておき、僕は浜田理恵さんの一生一度のプルミエ・コンサートに立ち会えたことを、心から嬉しく思っています。
 カーテンコールでは、会場からの熱烈な拍手に、浜田さんもこみ上げるものがあったようです。

 会場ロビーで聞いた話では、今年だか来年だかのNHK交響楽団『第九』のソリストにも決まっておられるそうで、ますますの活躍が期待されます。

 これからは決して彼女のオペラは見逃さないぞ、と覚悟いたしまして (^_^)、さし当たりは、11月25日(土)びわ湖ホールの《ジャンヌ・ダルク》ですね。
 
 
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