メトロポリタン・オペラ 来日公演 《サムソンとデリラ》
2001年5月19日(土)5:00PM開演 びわ湖ホール

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 メトロポリタン・オペラ、2001年来日公演の初日です。
 このオペラを観るのは全く初めて。

 『DALILA』って、どうして『デリラ』になるの?
 舞台では『ダリラ』と歌っていたけど。

         メトロポリタン・オペラ来日公演
        サン・サーンス《サムソンとデリラ》

      2001年5月19日(土)5:00PM開演
     滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 大ホール

         指揮:ジェームズ・レヴァイン
         演出:エライジャ・モシンスキー

           デリラ:オリガ・ボロディナ
         サムソン:プラシド・ドミンゴ
     ダゴンの大司祭:セルゲイ・レイフェルクス
        アビメレク:リチャード・ポール・フィンク
       老ヘブライ人:ロバート・ロイド

  第1幕50分/休憩25分/第2幕45分/休憩35分/第3幕35分 =計3時間10分

 第一幕はオラトリオかコンサート形式か? と思うほど、盛り上がりがありません。
 舞台上に人数はたくさんいるのに。

 舞台装置は抽象的なもの。
 装置・衣装のリチャード・ハリソンはディズニーミュージカル《ライオンキング》のスタッフだそうですが、ペリシテ人(敵方)が赤褌の土人スタイルなのはペリシテ人に失礼でしょう (^_^;。

 ドミンゴは好調。
 世界のスーパースターなのに、役に真剣に取り組む姿勢は立派です。

 デリラがサムソンを誘惑して怪力の源である黒髪を切ってしまう第二幕は、実に充実した場面でありました。
 《トリスタンとイゾルデ》みたいのものでしょうか。
 しかしデリラ役は大変です。
 ソロ → 大司祭との二重唱 → サムソンとの二重唱 → 『君が御声に心開く』 → サムソンとの二重唱、と休む暇なし。
 ボロディナ、予想より肥満体でしたが、良かったですね (^_^) 。
 サムソンは『禁問の問い』に答えてしまったローエングリンでしょうか (^_^;?

 僕はデリラのアリア『君が御声に心開く』が大好きで、サザーランド引退記念の《こうもり》でマリリ・ホーンが歌ったこの曲を聴くたびに感激してしまいます。

 公演に戻って、第三幕は、また退屈でした。
 バッカナールのバレエでは、男性は赤褌で踊っているのに、女性はレオタードを着ていた(オペラグラスで確認 (^_^;)のは、男女差別?
 最後の神殿が崩れる場面には期待していましたが、あんなものでしょうか。
 抽象的な舞台装置だからね。

 プログラム(2000円)はなかなか内容の充実したもので、好評でした。
 しかし、演出家の略歴は全く無し。
 モシンスキーって有名な人だそうですが、どういう人 (^_^;?

 今日は風が強かったけれど、さざ波が立つ琵琶湖もいいものです。
 二幕後の幕間には、夕空に浮かび上がる比叡山の山頂レストランに灯がともり、浜
大津の噴水に照明が映え、新緑のびわ湖ホールは相変わらずの美しさでした。
 
 
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