メトロポリタン歌劇場 名古屋公演 《ばらの騎士》
  2001年5月24日(木)6:00PM 愛知芸術劇場大ホール

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      メトロポリタン歌劇場来日公演 《ばらの騎士》
   2001年5月24日(木)6:00PM 愛知芸術劇場大ホール

         指揮:アンドリュー・デイヴィス
         演出:ナサニエル・メリル

       オクタヴィアン:スーザン・グラハム
          元帥夫人:ルネ・フレミング
        オックス男爵:フランツ・ハウラータ
        ファーニナル:ハンス=ヨアヒム・ケテルセン
          ゾフィー:ハイディ・グラント・マーフィー

 僕の席は巨大劇場の5階最後列(D席・2万円)。
 立ち上がって見ることが出来る気楽な席だけど、舞台からの距離は何百メートルあるのでしょうか (^_^;?
 こんな席からの観劇だったためでしょうか、どうも舞台に求心力が無いような印象を持ちました。

 ナサニエル・メリルの演出は、どこかで見たような、全く常套的なもの。
 それなりに豪華な装置を使った、いかにもMETらしい演出でしょうか。
 オケの音も小さく(自分の席が遠いんだって (^_^;)、こうなると舞台の成功は主役の歌手の力にかかってくるでしょう。

 元帥夫人のフレミングも、オクタヴィアンのグラハムも良かったけれど、舞台の芯にはなっていない感じ。
 ゾフィー役は歌唱も舞台姿も、かなり見劣りする。
 この人のために、女声3人のバランスが悪くなっている。
 僕がオクタヴィアンなら、ためらうことなく元帥夫人を選ぶな (^_^) 。
 そのような感想を持たせるキャスティングには問題があるのではないかな?

 オックス男爵のハウラータは、途中から「オペラ《オックス男爵》ではないか?」と思わせるほどの活躍ぶり。
 でも、もっとハメを外して欲しい気もしましたね。
 三幕の冒頭の人の出入りは分かりにくかった。

 とはいいながら、最後のゾフィーとオクタヴィアンの二重唱を聴いていると、「ワーグナーのオペラのあとに、このようなオペラを書き上げたリヒャルト・シュトラウスは立派なものだ」と感心せずにはいられません。

 6時開演、休憩2回で、終演は10時半。
 二幕が終わったところで帰った人も多かったようです。

 休憩時間に、指揮者の松尾葉子先生に久しぶりにお会いしましたので、《能様式による ドン・ジョヴァンニ》の再演を御願いしておきました。
 『そういって下さる方が多いし、自分もぜひやってみたいけれど、お金がね〜』
 『あまりお金はかかっていないように見えましたよ (^_^;』
 『能楽堂使用料は安いけれど、衣装が大変‥‥』だとか (^_^) 。
 
 
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