ホセ・クーラの世界/テノール・リサイタル
2001年10月24日(水)6:45PM 愛知芸術劇場大ホール

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◇ホセ・クーラ の世界(10/24)

 このコンサートはチケット代が高いのでどうするか迷いました。
 11月4日の《アイーダ》(クーラがラダメス)と値段が一緒なんですから。
 つまり、《アイーダ》の舞台装置、歌手、合唱団はタダだということになってしまうんです(@o@)。

 そのためなのでしょう、チケットの売れ行きは悪かったようです。
 で、『ガラガラの会場のホセ・クーラを見てみようか』などという不純な動機で (^_^ゞ、1万5千円の5階席を購入いたしました。

 本日の愛知芸術劇場は、4階のコンサートホールで朝比奈隆・大阪フィルの演奏会が行われておりました。
 これが朝比奈隆最後のコンサートになりました。

 大ホール入口を観察していると、招待チケットのカウンターがあって、ハガキを持った人がチケットと交換しています。
 入場者が少ないので、招待状で人集めをしたのでしょうか?
 『僕は1万5千円で5階なのに、タダで1階で見る人がいるのか』と考えると、心は穏やかではありません (^_^;。

 5階の入りは3割くらい。
 僕の前後左右は空席ばかりで、これだけゆったりコンサートを楽しめるなら、1万5千円も高くはないでしょうか (^_^;?

     《ホセ・クーラの世界/テノール・リサイタル》
  2001年10月24日(水)6:45PM 愛知芸術劇場大ホール
  テノール:ホセ・クーラ  ソプラノ:シモーネ・バルドリーニ
  指  揮:ホセ・クーラ ピエトロ・ヴェネリ
  管弦楽 :大阪センチュリー交響楽団

 第一部はヴェルディ・プログラム。
 クーラは歌に指揮に大活躍。
 指揮者の資質はテクニックではなく、その人の持つ音楽性とパワーですから、その意味でクーラは良かったと思いますよ。
 でもやはりオケを把握する力が弱いのでしょうか、それともオケの実力なのでしょうか、時々おかしな音が出ていましたね。
 クーラはバルドリーニのアリアの伴奏も指揮していました。

 歌は全て演技付き。
 オペラの一部が舞台装置無しで演じられている、と考えたらよいでしょう。
 最後は、クーラ得意の《オテロ》の二重唱。

 第二部はプッチーニ・プログラム。
 クーラは舞台奥から現れ、パーカッション、ハープ、セカンドバイオリン、と奏者(主に女性 (^_^;)の肩を叩きながら、指揮台に進みます。
 打ち合わせ無しなら、ビックリしたでしょうね (^_^;。

 さて、クーラの指揮で《西部の娘》のアリアが始まります。
 そこに現れたのが指揮者のヴェネリ。
 彼は指揮棒でクーラを突っつき、指揮台から追い払います (@o@) 。
 そして途中からヴェネリの指揮に変わって、クーラが歌い始めるわけです (^_^) 。
 クーラがハイトーンを延ばし、指揮者が合図をしても延ばしっぱなし。
 指揮者は腕時計を指して、『早く終われ!』と要求したりして、なかなかの役者ぶりです (^_^) 。

 そんなことで、第二幕の方がずっと和みました。
 僕はもともとプッチーニ好きだし (^_^) 。
 指揮者としてのクーラは《マノン・レスコーの間奏曲》が素晴らしかった。
 ウィーン国立歌劇場来日公演のシノーポリを思い出しました。

 プログラムの最後は《蝶々夫人》の長大な愛の二重唱。
 数ある『愛の二重唱』の中でも、最も好きな曲の一つです。
 バルドリーニはそれほど声量があるわけではありませんが、役に成りきっているところが好ましい。
 フィナーレで二人が抱き合って、オケに愛の音楽が鳴り響く部分にはジーンと来ましたよ。

 アンコールは、バルドリーニは《アドリアナ・ルクヴルール》。
 クーラは《トゥーランドット》のあの曲。
 最後のハイトーンを思い切り延ばせば、会場の興奮も最高潮です。

 ということで、開演前は『金の亡者か?』と思っていたクーラですが、終わってみれば好感度はかなりアップしました (^_^) 。
 でも、チケット代は半額にしていただきたかったですね。
 
 
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