歌劇 《ヒロシマのオルフェ》
2001年11月11日(日)2PM ザ・カレッジ・オペラハウス

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◇ヒロシマのオルフェ(11/11)

 大阪音大 カレッジ・オペラの新シリーズ『20世紀オペラシリーズ』の第一弾は芥川也寸志の《ヒロシマのオルフェ》。
 芥川也寸志、團伊玖磨、黛敏郎の3人は『3人の会』を結成していました。
 団さんの《夕鶴》、黛さんの《金閣寺》は既に観劇ずみ。
 今回は残った芥川さんのオペラです。

     作曲:芥川也寸志  台本:大江健三郎
        歌劇 《ヒロシマのオルフェ》
      2001年11月11日(日)2PM
     大阪音楽大学 ザ・カレッジ・オペラハウス

      指揮:本名 徹次  演出:中村敬一 

          青   年:井原 秀人
      若い娘のちに看護婦:石橋 栄美
     中年の娼婦じつは巫女:田中 有輝子
   死の国の運転手のちに医師:安川 忠之

 原爆に被爆した青年は、顔のケロイドと白血病の恐怖におびえている。
 売春婦と寝た夜に、彼は鏡から現れた若い娘に出会う。
 若い娘は死の国の使いだった。
 しかし、彼は娘に対する愛情から生への希望を取り戻す。
 そして「白血病で死ぬにしても、顔の手術をすることには意味がある」と歌い、手術台に載る。
 気が付けば医師は死の国の運転手、そして看護婦は死の国の娘だ。
 麻酔がかかり、手術が始まるところで幕になる。

 上演時間は1時間弱と短いが、楽器編成は大きい作品です。
 オペラとしては、《夕鶴》《金閣寺》に較べると魅力に乏しい印象。
 中村さんの演出ノートによれば「舞台は原爆ドームをイメージさせる鉄骨の廃墟。中央の鏡の向こうとこちらは現実世界と死の世界」とのことですが、鏡の開け閉めに気を取られて、ちょっと感心しませんでした。

 井原さんは良いんだけれど、《金閣寺》の印象が強すぎて、溝口っぽく見えてしまいます (^_^;。
 若い娘の石橋さんは、鏡から現れるとすぐに服を脱いで (@o@) スリップ姿になる。
 高校の先生だそうだが、生徒は見に来ていないのか (^_^ゞ?

 プログラムにはこのオペラ制作の最初から立ち会った元NHKの三善清達さんの手記があって、これがやたら面白かった。
 特急『燕』の食堂車で、野村光一さん、草笛光子さん(当時の婚約者。後に結婚して離婚)と4人で話したときに、オペラを作ることが決まったそうだ。

 今回は新大阪からタクシーに乗ってみましたが、会場までは1500円くらいでした。
 
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