ウィーン・オペレッタ劇場《サウンド・オブ・ミュージック》
2002年6月22日(土)5:00PM 愛知芸術劇場大ホール

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《サウンド・オブ・ミュージック》ロケ地探訪


◇ サウンド・オブ・ミュージック

 映画『サウンド・オブ・ミュージック』が上演されたのは1965年(昭和40年)。
 僕は日曜日の朝一番で見に行ってこの映画の虜になってしまい、その日の内に3回見てしまいました。
 「ザルツブルクの子供は勉強もせずに、美しい景色の中で遊んでばかりで羨ましい」ってね (^_^;。
 レコードを買って、歌詞は全部覚えましたね。
 ザルツブルクには何回か行ったことがあるんですが、その度に映画の舞台となった場所を訪ねています。

 劇場公演では、中日劇場の宮本亜門演出と、名古屋市文化振興事業団の2回の公演(1990年と2001年)を見ました。
 その中では1990年の公演(演出:増田邦彦)が素晴らしかったですね。

 今回は舞台となったオーストリアの劇場が、オペレッタの人気者メラニー・ホリデーをマリア役としての上演。
 映画ファンとしての義理があり (^_^;、それほど期待もせずに出かけました。
 愛知芸術劇場大ホールは巨大劇場ですが、よくお客さんが入っていましたね。
 高校生が多かったような気がしましたが、あの映画は若い世代にも人気があるんでしょうか?


       ウィーン・オペレッタ劇場《サウンド・オブ・ミュージック》
      2002年6月22日(土)5:00PM 愛知芸術劇場大ホール

 ハインツ・ヘルベルク(トラップ大佐役でもある)の演出はごくごく普通。
 あまりにもスラスラと話が流れていってしまいます。
 場面転換は極力少なくなっていて、その意味でも舞台を見る楽しみは少なかったですね。
 ストーリーと音楽は、映画と舞台の折衷版。
 セリフはドイツ語で、歌詞は英語というのはおかしかった (^_^;。

 《サウンド・オブ・ミュージック》はブロードウェイ・ミュージカルですが、ナチスに併合され、またナチスに迎合したオーストリアの人々は、どのような気持ちでこのミュージカルを上演しているのでしょう?
 「映画は人気がなかった」と聞いたことはありますが、高齢のスタッフには「ハイル・ヒトラー」と手を挙げた人もいるのではないでしょうか?

 かつての劇場公演でビックリした『山の向こうはスイス』という台詞は、さすがにありませんでした。
 地図を見ればすぐ分かるように、ザルツブルクからスイスは遙か彼方で、山の向こうはヒトラーの別荘があるベルヒテスガーデンなんですから。
 この噴飯ものの台詞はブロードウェイの初演時からあったのでしょうか?
 映画では、子供のセリフで「スイスまで車を押していくの?」となっていました。

 映画『サウンド・オブ・ミュージック』のファンには、ロビーで売られていた『永遠のサウンド・オブ・ミュージック』(木之下晃 &Tomoe著・東京書籍・2200円)をお薦めしたい。
 帯に『ここが本当のロケ地だ!』とあるように、映画の舞台となった場所が紹介されています。