ツェムリンスキー 歌劇 《フィレンツェの悲劇》 2002年7月26日(金)6:45PM 愛知芸術劇場コンサートホール |
◇ 歌劇 《フィレンツェの悲劇》(7/26) 仕事の都合で前半のモーツアルト『ジュピター』はパス。 後半の《フィレンツェの悲劇》だけの観劇です。 一幕もので、演奏時間はおよそ1時間。 このような現代作品は入場者が少ないかと危惧しておりましたが、会場は9割くらいの入りに見えました。 舞台に出てきた名フィルを見て「あれ?」と思ったのは、コンサートマスターが外国人だったこと。 で名前を見ると「ライナー・ホーネック」、ウィーンフィルのコンサートマスターではありませんか (@o@) 。 プログラムによれば、首席客員コンサートマスターなんだそうで、この演奏会が就任披露なんだそうです。 ウィーンのオペラ 《フィレンツェの悲劇》には最もふさわしいコンサートマスターではありませんか。 積極的にオケを引っ張っていく姿勢に、好感を持ちました。 名古屋フィルハーモニー交響楽団第283回定期演奏会 2002年7月26日(金)6:45PM 愛知芸術劇場コンサートホール アレクサンダー・ツェムリンスキー 歌劇 《フィレンツェの悲劇》 演奏会形式上演 日本語字幕 指 揮 :沼尻竜典 グィード(フィレンツェ大公の御曹司):吉田浩之 シモーネ(フィレンツェの商人):木村俊光 ビアンカ(シモーネの妻):栗林朋子 《フィレンツェの悲劇》という題名から「フィレンツェを舞台にした壮大な歴史ドラマか?」と思っていたのですが、三角関係のお話でした (^_^;。 16世紀のフィレンツェ。 商人のシモーネが旅先から帰ると、妻のビアンカは見知らぬ男と一緒にいる。 その男はフィレンツェ大公の御曹司グィードだった。 ツェムリンスキーといえば、シェーンベルクやウェーベルンにつながる難解なウィーン現代音楽の作曲家かと理解しており、それなりの覚悟を持ってこの演奏会に臨みました。 しかしながら、実際に聴くツェムリンスキーの音楽は後期ロマン派そのもの。 むしろリヒャルト・シュトラウスに近いでしょう。 《フィレンツェの悲劇》はオスカー・ワイルドの原作で、その意味でも《サロメ》に近い作品でしょうか。 オケは3管編成の大規模なものでした。 沼尻さんの指揮は素晴らしかった。この作品の最高レベルの演奏だったでしょう。 最後のシモーネとグィードの決闘シーンは盛り上がりました。 ソリストは大編成のオケに埋もれてしまう感じもあったんですが、善戦。 シモーネの出番が圧倒的に多かったですね。 残念だったのは燕尾服を着ての演奏会形式で、楽譜を見ながらの舞台だったこと。 このオペラの売り物は、最後にシモーネとビアンカがよりを戻し、殺害されたグィードの死体の上で抱き合う《サロメ》のように変態的な場面なんでしょうが、視覚的なショックがありませんからね。 |