吉例大須師走歌舞伎 並木五瓶作 《けいせい黄金鯱》
大須演舞場 02年12月3日(火)6:45PM

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◇大須師走歌舞伎《けいせい黄金鯱(けいせいこがねのしゃちほこ)》

 大須師走歌舞伎、「スーパー一座を応援する会」会員のためのプレビュー公演に行って参りました。

 今回の演目は並木正三(昨年の《三千世界商往来》の作者・回り舞台の考案者として有名)の弟子である並木五瓶の《けいせい黄金鯱》。
 歌舞伎完成期である天明、寛政時代の作品だそうです。

 プレビュー公演ということで、何時に終わるかも分からない状態(岩田さんのスピーチ)でしたが、10時10分には終了いたしました。
 今後、手直しはあると思います。

        吉例大須師走歌舞伎
      並木五瓶/作《けいせい黄金鯱》
    大須演舞場 02年12月3日(火)6:45PM

      柿ノ木金助:原 智彦(おもなが屋)
   小平太・歩左衛門:野口登志(大多摩屋)
      斉藤司之助:間瀬礼章(亀埼屋)
     奴鳴平・玄宅:水谷真人(池鯉鮒屋)
       上使 久馬:児見山宗志
       斎藤刑部:鎌田大資
       老女 村路:柴田しのぶ(茜屋)
  局 半蔀(はじとみ):高木和子(やまと屋)
      吾妻路太夫:吉野貴子(櫻屋)
      春日野太夫:桂 元枝(花見屋) 
        禿 袖弥:杉山佳重(はりたま屋)
        局 千島:稲本奈央

 プログラム解説によれば、大変複雑で長い話を無理矢理に縮めたそうで、ストーリーの展開が(特に第一部で)分かりにくくなっています。

 本筋は、日本にやってきて東国で殺された唐人「八重洲八寛」の息子「柿ノ木金助」が、金の鯱鉾を盗むなど軍資金をためて、父の仇討ちの兵を挙げる話。
 細かい説明を始めると、切りがありません (^_^;。

 第一部前半は、斉藤家の次男司之助の遊興と、それにつけ込んだお家乗っ取り騒ぎ。
 そこへ突然、名古屋城の屋根の上で金助と捕り手の大立ち回りが始まります。
 これは唐突でしたが、立ち回り自体は凝った作りで面白かった (^_^) 。

 僕は子供の頃に、泥棒が盗んだのはウロコ1枚と聞いていたのですが、金助が鯱鉾一個をそのまま持ち去ったのには驚きました (@o@) 。
 金助は大凧に乗り移り、ここで宙乗りがあるはずなんですが、金助役の原さんが「引っ張って!」と声をかけても、凧は動きません (@o@) 。
 鯱鉾が重すぎるんでしょうか (^_^;?

 「どうなってしまうのか?」と見ていたら(目の前)、捕り手役の間瀬さんが「金助待て!」と叫びながら凧を押していきました。
 場内、大爆笑です (^0^)。

 まあプレビュー公演ということで上手くいっていない部分もあったようですし、今はメンバーの交代時期に当たるようで、演技のレベルにばらつきがあるようです。
 しかしながら、大須歌舞伎の楽しさは例年通りだし、これからまとまりも出てくることでしょう。

 金の鯱鉾が唐の国からから盗まれて名古屋城に取り付けられた、というセリフには笑ってしまいました (^_^) 。