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◇ ヘンゼルとグレーテル(名古屋芸術大学)

 いつも満足度の高いオペラを上演してくれる名古屋芸術大学。
 今回の演目は、僕が大好きな《ヘンゼルとグレーテル》です。

   名古屋芸術大学音楽学部 第25回オペラ公演
     フンパーディンク《ヘンゼルとグレーテル》
      指揮:古谷 誠一  演出:小澤 寛
      2003年3月19日(水)6:00PM
    名古屋市民会館中ホール 入場料:1000円

 僕はアマチュアの演奏には、とても寛容です。
 自分もアマオケをした経験から、実状はよく分かりますからね (^_^;。
 しかも今回は卒業演奏会で、プログラムに「このメンバーでできる最初で最後のオペラ公演」などという文章を読むと、何でも許せる心境です。
 序曲の最初のホルンのアンサンブルが乱れると、「こんなに下手なのにオペラに取り組むとは健気じゃないか」と、かえって感激してしまいます (^_^;。
 僕にとっては「健気」がキーワードですね (^_^) 。

 ヘンゼルとグレーテルは、各幕で交代します。
 この公演で感心したのは、小澤さんの演出。
 最初から最後まで、隅の方の一人一人まで、きちんとした振付がされているんです。
 演出家の本来の仕事とは、この小澤さんのような仕事でしょう。
 最近はおかしな演出家が多いですからね。

 しかし、第二幕最後のヘンゼルとグレーテルの眠りの二重唱から十四人の天使が現れる部分の音楽は、何回聴いても美しい限りです。
 この場面、今まで見た公演では、眠っている二人の回りで天使達がバレエを踊っている演出が多かったのですが、今回はヘンゼルとグレーテルが天使達と一緒に踊りました。
 これは優れたアイディアだと思いました。

 名芸大は、12月に愛知芸術劇場大ホールで《トゥーランドット》を上演する予定で、大いに期待しております。
 入場料は、これまた1000円の予定です (^_^) 。