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◇仮面舞踏会(愛知県文化振興事業団)

 久々に、全国的に注目される、愛知県文化振興事業団のオペラ公演。
 演目は、ヴェルディのオペラではちょっと地味な《仮面舞踏会》です。
 ストーリーは彼の他のオペラと同じように、おかしなもの。
 彼のオペラでは、やたら「貞操」が出てくるのがイヤですね。
 まあ、アメーリアの貞操は守られたんですがね (^_^;。
 音楽的にも、彼の有名なオペラ群に較べると、少し魅力に乏しい印象です。

    ヴェルディ作曲 歌劇《仮面舞踏会》
    (全3幕、イタリア語上演・字幕付き)
    日 時:2003年3月21日(金)3:00PM
    会 場:愛知芸術劇場大ホール
  指揮:マルコ・ボエーミ   演出:高島 勲
        リッカルド:佐野 成宏
         レナート:直野  資
        アメーリア:佐藤 しのぶ
         ウルリカ:西  明美
         オスカル:天羽 明惠
      合 唱:東京オペラシンガーズ・AC合唱団
      バレエ:松本道子バレエ団
      管弦楽:名古屋フィルハーモニー交響楽団

 装置と衣装は、パルマ王立歌劇場のもの。
 この時点で演出のコンセプトも決まってしまうのでしょう。
 高島さんの演出は、読売日響の《パルジファル》とは似ても似つかぬ、オーストドッ
クスなものでした。
 しかし、先日見た《ヘンゼルとグレーテル》の小澤寛さんと較べると、きちんと演技
指導が出来ていない感じがします。
 歌っていない人は突っ立ているだけ。

 例えば、最後の場面のアメーリア。
 愛するリッカルドが夫レナートに刺されて死んでいくんですが、その隣でアメーリア
が客席に向かって立っているだけなんです。
 そうじゃないでしょう、人間って?
 これでは、演出家がしっかりした仕事をしていないと、僕には判断されます。
 特に最後の場面は酷かったですね( ← 興味のある人は、あさって見てね)。

 歌手は皆さん、そこそこかと思いましたが、会場の評判は「佐野さんも佐藤さんも良
い」という声が多かったです。
 僕の席は4階最後列でしたから、声が届かなかったのかもしれません。
 マルコ・ボエーミ指揮する名フィルは、柔らかい音色で良かったですね。

 僕は2000年にドレスデン歌劇場で、《仮面舞踏会》を見たことがあります。
 売れっ子演出家、ペーター・コンヴィチュニーのもので、これは酷かった (^_^;。
 興味がある人は http://homepage2.nifty.com/mnakash/2000bach/07ballo.htm 。