「ニーベルングの指環」第2日《ジークフリート》
2003年4月3日(木)4:00PM 新国立劇場
 
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◇ジークフリート(4/3)

 僕はワーグナー協会の会員だし、新国立劇場のジ・アトレ会員だし、ということで油断していたら、チケット争奪戦に乗り遅れ、一般発売でウィークデイの最後のチケットを手にすることが出来ました。
 仕事をサボって新宿・初台に遠征しましたが、木曜の午後4時に満席になっているオペラハウスというものは、なかなか異様なもでありました (^_^;。
 東京は名古屋に較べ寒かったです。

   「ニーベルングの指環」第2日《ジークフリート》
     2003年4月3日(木)4:00PM

   指揮:準・メルクル  演出:キース・ウォーナー
     ジークフリート:クリスチャン・フランツ
         ミーメ:ゲルハルト・ジーゲル
       さすらい人:ユッカ・ラジライネン
       アルベリヒ:オスカー・ヒッレブラント
      ファーフナー:長谷川 顕
         エルダ:ハンナ・シュヴァルツ
     ブリュンヒルデ:スーザン・ブロック
        森の小鳥:菊池 美奈

 キース・ウォーナーの演出は、流行の「新奇な演出」と言ったらよいのでしょうか。
 最近はこんな演出が多くて、僕は何も感じなくなってしまいました。
 演出家の意図を考えるほど、暇でもないしね (^_^;。
 ジークフリートが名剣ノートゥンクで金床を真っ二つにする場面や、大蛇ファーフナーと戦う場面が見所かと思っていたのですが、期待外れでした。
 でも、第三幕はスケールが大きかったし、《ワルキューレ》ほどの嫌な印象は持ちませんでした。
 http://homepage2.nifty.com/mnakash/sonota/review/walkuere.htm
 単に慣れてしまっただけでしょうか (^_^;?

 しかし、さすらい人(ヴォータン)が槍を持って出てきたのには驚きました。
 彼は前作《ワルキューレ》の最後で、槍をワルキューレ達に向かった投げつけたではありませんか。
 あれから拾いに行ったのでしょうか (^_^;?
 こういう一貫性の無い設定は納得できませんね。

 準・メルクルの指揮は《ワルキューレ》の時にも感じたのですが、拍子を振っているけれど、音楽を表現していない印象。
 昨年の東京シティの飯守泰次郎さんの方が、はるかに素晴らしい音楽だと僕には思われます。
 ということで、9月の東京シティ《神々の黄昏》が楽しみなんですが‥‥。

 話を戻しまして、歌手はそれぞれ良かったと思うけれど、中でも素晴らしかったのはミーメ。
 ジークフリートは声量が少ないかと思ったところもありましたが、負担が大きい役柄なので、ときどき声をセーブするのは、いたしかたないでしょう。

 僕が一番楽しみにしていたのは、さすらい人のラジライネン。
 ヴィースバーデンのヘッセン州立劇場《さまよえるオランダ人》で、この人のオランダ人を聴いて、僕は痺れ上がってしまいました。
 http://homepage2.nifty.com/mnakash/2000bach/20wiesopera.htm
 今回は、その時と較べると、ちょっと物足りない。
 劇場の違いでしょうか?

 フライングと全裸が話題の森の小鳥ですが、ありゃペンギンですか?
 どうせ脱ぐのならすぐ逃げずに、あそこで消防服に着替えたら、第三幕に続く、意味のある場面になったのではないでしょうか?

 終演は10時近く。
 11時20分発の東名夜行バスで、星ヶ丘に6時到着しました。