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◇ばらの騎士(名フィル・9/6)

 名フィルの常任指揮者が沼尻竜典さんに変わってから、意欲的なプログラムが増えています。
 本日は、その中でもとびっきり。リヒャルト・シュトラウスのオペラ《ばらの騎士》です。

          リヒャルト・シュトラウス
       歌劇 《ばらの騎士」》(演奏会形式上演)
       2003年9月6日(土)午後4時00分開演
          名古屋市民会館大ホール

            指 揮:沼尻竜典
           元帥夫人:佐々木典子
         オックス男爵:佐藤泰弘
        オクタヴィアン:林美智子
         ファーニナル:加賀清孝
           ゾフィー:澤畑恵美

 美貌の元帥夫人(マルシャリン)マリー・テレーズ(32歳)はロフラーノ伯爵オクタヴィアン(17歳)と不倫を続けている。
 彼女は自分の若さが失われたことを憂え、オクタヴィアンとの別れを予感している。
 彼女のいとこの田舎貴族・オックス男爵は、成金貴族・ファーニナルの娘ゾフィーと婚約するため、婚約の証である銀の薔薇を届ける「ばらの騎士」の推薦を彼女に依頼する。
 彼女はその役にオクタヴィアンを推薦するのだが‥‥。

 今回の公演は二期会との提携で、東京公演(7月)のキャストを招いたわけですが、これは良い企画だと思います。
 せっかくものにした役柄でも、たった一度の公演で終わってしまうのが、現在の日本のオペラ上演の姿です。
 全国各地の劇場でこのような企画が出来れば、ちょっとヨーロッパ風ではありませんか (^_^) 。

 演奏会形式といいながら、歌手はオーケストラの前で暗譜で歌い、自由に演技する。
 服装は男性はタキシード、女性はドレス、オクタヴィアンはズボン。
 まあ、舞台装置の無いオペラ上演ですね。

 これは大変素晴らしい演奏会でしたが、その第一の功労者は指揮の沼尻さん。
 強弱緩急は自由自在。この長大なオペラは完全に彼の手の中に入っているようです。
 リヒャルト・シュトラウスの曲は演奏が難しいのですが、名フィルも大健闘。
 キャストでは、初めて聴く林さんのオクタヴィアンが素晴らしかった。
 豊かな声量、可愛らしい舞台姿、役に成りきった演技、等々。

 せっかく演技を付けるなら、演出家を招いて、演技や衣装を徹底してほしかった気もしますが、これだけの舞台を見せていただいて、贅沢を言うのはやめましょう。
 カーテンコールは当然の事ながら大変盛り上がりまして、飯守泰次郎さんの《ワルキューレ》を思い出しました。
 しばらくは沼尻さんの「追っかけ」をいたしましょうか。
 次は二期会(東京)の《ルル》ですね。

 この公演にはTVカメラが入っておりまして、ドキュメントが放送されるそうです。
 「舞台の映像は半分くらいでしょう」とのことでした。

 10月13日(月・休) 9時55分〜10時50分
 11CH(メーテレなどと書くのも恥ずかしい (^_^;