関西二期会 《パルジファル》全三幕
        2003年10月8日(日)2:00PM 尼崎アルカイックホール
  
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 僕の最初のワグナー体験は《パルジファル》だったんですが、しかもそれがバイロイトだったりするんですが、それからウィーン国立歌劇場(来日公演)、ボン市立歌劇場と観て、今回が4回目の《パルジファル》となります。

 一昔前には『日本人には体力的にワグナーのオペラは無理』ということが当然のように言われていました。
 それなのに関西二期会だけで(それもダブルキャストで)《パルジファル》が上演できる時代がやってきたんですね。



         舞台神聖祝典劇《パルジファル》全三幕
            2003年10月8日(日)2PM 
              尼崎アルカイックホール

          指揮:飯守泰次郎  演出:鈴木啓介
             管弦楽:京都市交響楽団

             アムフォルタス:藤村匡人
               ティトゥレル:田中 純
             グルネマンツ:木川田澄
             パルジファル:竹田昌弘
            クリングゾール:片桐直樹
               クンドリー:岡坊久美子

 指揮の飯守さんには、名古屋フィルハーモニー交響楽団常任指揮者時代に多くのワグナー作品の指揮をしていただき、そのどれもが忘れられない思い出です。
 今回も大いに期待して行ったのですが、期待にそぐわぬ素晴らしい上演となっていました。
 オーケストラは時々飛び出したりして、今ひとつでしょうか (^_^;。

 鈴木啓介さんの演出はびわ湖ホールのオペラなど、気に入らないケースが多いんですが、名フィル定期の《ワルキューレ》(飯守さん指揮)だけは、大変気に入りました。
 さて、今回は同じワグナーと言うことで期待して良いんでしょうか?

 舞台には大きな円盤があって、客席方向にかなり急な傾斜が付いています。
 この円盤は全幕共通で、主に照明で場面は転換していきますが、なかなか上手くいっていたのではないでしょうか?
 演技もオーストドックスなものでした。

 でも、この舞台は僕がバイロイトで観たヴォルフガンク・ワグナーの演出に似ているんです。
 まあバイロイトに較べれば舞台装置はずっと簡素なものなんですがね。
 その時期、飯守さんはバイロイトの副指揮者をしておられたようで、何か関係があるんでしょうか?

 バイロイトといえば、ボン市立歌劇場の指揮者ジェフリー・テートと飯守さんは副指揮者仲間なんだそうですね。
 ジェフリー・テートはあまり感心しませんでしたが‥‥。

 キャストは皆さん好演でした。
 特にグルネマンツの木川田さんはヨーロッパのオペラハウスで十分に通用する力量でしょう。
 名前も知らなかった日本人歌手がここまで歌えるということは、嬉しい驚きでした。
 しかし、女性出演者の少ないオペラですね (^_^;。

 男性が多いと言えば、聖杯を守る騎士は50人くらいいたんですが、これは多すぎるのではないでしょうか?
 アーサー王の円卓の騎士は24人だったそうですが、あまり多いと有難味が薄れるような‥‥ (^_^ゞ。

 第二幕最後にクリングゾールが投げた槍は空を飛んだんですが、パルジファルが取り外すのに、ちょっと時間がかかっていました (^_^;。
 円盤の中央でパルジファルが聖杯を掲げ、その周りを騎士たちが取り囲むラストシーンは美しかった。

 ということで、これはなかなかレベルの高い上演で、ワグナーの世界を大いに堪能させていただきました。
 カーテンコールは大いに盛り上がったんですが、木川田さんと飯守さんへの拍手が特に大きかった。
 まあ、当然でしょう (^_^) 。

 2時開演で、終演は7時でした。