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例年レベルの高い公演を見せてくれるカレッジオペラ。 今年の演目は《沈黙》で、チケットは早々と予約したんですが、よくよく考えたら当日まで作曲者の名前を知らなかった (^_^;。 カレッジオペラハウスなら中身に間違いはないだろう、と信じているわけです。
カレッジオペラハウスはこぢんまりとした劇場で、客席数は748。 馬蹄形の劇場でシャンデリアが輝き、ヨーロッパのオペラハウスを思い出させます。 僕は「日本のクヴィリエ劇場(ミュンヘンの宮廷劇場)か」と考えております。
20世紀オペラシリーズV 《沈黙》2幕 2003年11月9日(日)2:00PM ザ・カレッジ・オペラハウス 作曲・台本:松村禎三 原作:遠藤周作 指揮:山下一史 演出:中村敬一 ロドリゴ:小餅谷哲男 フェレイラ:井原秀人 キチジロー:藤村匡人 モキチ:松本薫平 オハル:石橋栄実 合 唱:ザ・カレッジ・オペラハウス合唱団 児童合唱:ころぽっくる合唱団 管弦楽:ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団 原作は遠藤周作の小説。 ポルトガルの若い司祭ロドリゴは使命感に燃え、キリシタン禁制時代の日本に潜入したが捕らえられ、ついには自ら踏み絵を踏むこととなる。 オペラ全体としての印象は当然ながら暗い。 どうも作曲者本人のテクストが上手くいっていないような気がする。 説明的なせりふが多い。 ロドリゴと先に転んだフェレイラとの対面シーンがクライマックスなんだろうが、今ひとつ盛り上がりに欠ける。 何度も出てくる裏切り者キチジローがしつこい。 しかし、上演としては例年通りのレベルの高い仕上がり。 中村敬一さんは新国立劇場でも《沈黙》の演出をしたそうだ。 ほとんど出突っ張りの小餅谷さんは大健闘。 他の歌手もオーケストラも、関西はレベルが高い。 カーテンコールに作曲者の松村禎三さんが出てきたが、素晴らしい公演をしてもらい、満員の観客からの拍手を受けるとは、作曲者冥利に尽きるというものだろう。 |