小澤征爾音楽塾プロジェクトX《ラ・ボエーム》
2004年5月8日(土)3:00PM アクトシティ浜松大ホール

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 小澤征爾音楽塾プロジェクトX《ラ・ボエーム》
 2004年5月8日(土)3:00PM アクトシティ浜松大ホール

 大好きなロバート・カーセンが、大好きな《ラ・ボエーム》を演出するとなれば、どうしても見に行かなくてはなりません。
 名古屋公演の5月5日はプラハ帰りの飛行機の中だったので、浜松まで遠征しました。
 5月5日には名古屋国際会議場で「女子十二楽坊」のコンサートもあったんですね。

     指揮:小澤征爾  演出:ロバート・カーセン
        ミミ:ノラ・アンセルム
     ロドルフォ:ロベルト・サッカ
    マルチェッロ:マリウス・キーチェン
      ムゼッタ:アンナ・ネトレプコ
     ショナール:ネイサン・バーグ
     コルリーネ:ハオ・ジャン・ティアン

 僕は小澤征爾さんは苦手なんですが、今回の指揮は素晴らしかった。
 ちょっと見直しましたね。
 僕の席はB席ですが、2階サイドで小澤征爾の全身とオケピットのすべてが見える、ある意味では最高の席。
 指揮者と舞台とオケの間に、目に見えない糸のようなものが感じられました。
 音楽塾オケのメンバーには名古屋青少年オーケストラOBの名前も見えて、「みんな頑張っているな」と嬉しくなりました。

 カーセンの演出は適度に現代的でありながら、作品の本質をねじ曲げないところが好ましい。
 第一幕は広い舞台全体に白い紙が敷き詰められ(冬ですから)、中央の小さく区切られた四角いスペースが屋根裏部屋。
 これが春の第四幕になると、舞台一面は花で埋め尽くされます。
 屋根裏部屋の出入りは床板の扉を開け閉めします。
 第一幕と第二幕は続けて上演されますが、屋根裏部屋が一瞬にしてパリの繁華街に変わるアイディアにカーセンの才能を感じます。
 床を突き破って人が出てくるんですから、度肝を抜かれました。
 第二幕最後にムゼッタが下着姿になったりして、この辺は理解できないんですが、まあ観客サービスと好意的に受け取っておきましょう。
 ムゼッタ役のネトレプコは美人ですから。

 そのほかの歌手も、それぞれ適役で良かったんじゃないでしょうか。
 もともと好きな作品ですから、けっこうウルウルさせていただきました。
 カーテンコールに見るミミは、体型がブリュンヒルデ風だったでしょうか。

 終演後、浜松駅でブラブラしていたら、赤い帽子をかぶった小澤さんが新幹線に向かう姿が見えました。
 
 
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