富山医科薬科大学管弦楽団第27回定期演奏会 2004年5月29日(土)6:30PM 小杉町文化ホール ラポール |
小杉町は高岡と富山の間にあります。 サッカーの柳沢選手の出身地らしく、町役場には「世界へはばたけ柳沢敦」の横断幕が張られていました。 町役場の向かいにあるのが「小杉町文化ホール」です。 会場は定員500人くらいの小ぢんまりとしたホールでした。
曲目:チャイコフスキー 『バイオリン協奏曲 ニ長調』 メンデルスゾーン 交響曲第3番『スコットランド』 指揮:鈴木 博詞 バイオリン:幸田 聡子 ソリストはCD「川の流れのように」で全国的な知名度を持つ幸田聡子さんでした。 裏日本の小さな町で、学生オケのソリストとして彼女を聴くことができるとは、うれしい驚きでした。 しかし、バイオリン協奏曲の中でも難曲として知られるこの曲は、幸田さんには荷が重かったようです。 弦を押さえつけた重苦しい音は気に入りませんでした。 幸田さんのアンコールがありまして、これが驚いたことに「チゴイネルワイゼン」。 チャイコフスキーの協奏曲のあとに超絶技巧の「チゴイネルワイゼン」をアンコールするとは、寺田さんの気力と体力は評価しておきましょう。 後半の『スコットランド』は充実した演奏で、前半とは別のオケを聞くような印象でした。 やはり、メインとサブでは練習時間など、気合の入り方が違ってきますからね。 僕がアマオケのマネージャーをしていたころ、黒岩英臣先生、松尾葉子先生、山岡重信先生から「メンデルスゾーンは技術的に難しく、その割りに演奏効果が出ない」と言われたことがあります。 その難しい曲を、よくここまで仕上げたものです。 しかし、バイオリンパートをよく観察すると、実際に弾いている人は前の方と後ろの方(エキストラ?)の数名だけらしい。 その間には弓が動いていない奏者もいて(曲が難しいから仕方がないんです)、それでもパートとしてちゃんとした音が出てくるんですね。 これが学生オーケストラ一年の努力の集積かと感心しました。 指揮者の鈴木博詞さんは、京都チェンバーオーケストラ音楽監督常任指揮者だそうで、20回目の定期演奏会出演になるそうです。 さて、演奏が終わりまして指揮者が退場すると、入れ替わりに花束ガールが出てきました。 これはステマネの判断ミスで、花束を渡す相手が無くおろおろする花束嬢。 あわてて出てきた指揮者が花束を受け取り、彼はその花束をチェロ第3プルットの奏者に渡しました。 これが学生指揮者のNくん。 例年の演奏会では学生指揮者が序曲を指揮するのですが、今回はヘビーな曲目のためか序曲はなし。 Nくんとしては残念な思いもあったでしょう。 それが突然指揮者から花束を渡され、この一年間がんばった事、辛かった事、さまざまな想いがこみ上げて、Nくんはあふれる涙をとどめることができません。 この感動の場面が、コンサートのクライマックスとなりました。 指揮者の鈴木さんはいい人です。 アンコールの「メリー・ウィドウ・ワルツ」も見事に決まって、アマオケを聞く喜びを満喫できたコンサートでした。 |