東京シティ・オーケストラル・オペラ 《ローエングリン》 2004年9月11日(土)2:00PM 東京文化会館 |
◇ 《ローエングリン》 東京シティ(04/9/11) 午前に仕事がある名古屋人に、2時開演はむごい仕打ちです。 演目も《ローエングリン》と、ちょっと軽量だし、今年は行かないつもりでした。 名古屋では、森麻季さんの《リゴレット》もあったし‥‥ね。 この日は他にも、NHKホールの《蝶々夫人》、首都オペラ(横浜)の《魔弾の射手》、堺の《ファルスタッフ》など、オペラ公演が目白押しでした。 しかし、7月末に飯守さんを囲む会(名古屋)に出席させていただいていろいろ抱負を伺って反省し、LEUTNANT NIKI さんの復帰公演ということもあって、出かけることにしました。 3時に到着したとき、会場のモニターではローエングリンとフリードリヒが戦っていました。 オーケストラル・オペラ 《ローエングリン》 2004年9月11日(土)2:00PM 東京文化会館 指揮:飯守泰次郎 演出:鈴木敬介 管弦楽:東京シティ・フィル 合 唱:洗足学園音楽大学 二期会合唱団 ハインリヒ王:鹿野由之 ローエングリン:成田勝美 エルザ:緑川まり フリードリヒ:島村武男 オルトルート:小山由美 王の軍令使:成田博之 昨年の《神々の黄昏》の『ジークフリートの葬送行進曲』を指揮する飯守さんは神様のように見えたのですが、今年はそれほどでもありませんでした。 曲目の違いが大きいんでしょうね。 『エルザの聖堂への入場』など爽やかな部分が、特に印象に残っています。 鈴木さんの演出は、お城や聖堂をスクリーンに映し、照明で舞台に陰影を付けたオーストドックスなもの。 これなら「オーケストラル・オペラ」などと言わず、本格的オペラと言ってもいいでしょう。 費用対効果を抜きに、新国立劇場のヴォルフガング・ワーグナー演出よりずっと気に入りました。 合唱がたくさんいて驚きましたが、迫力があって良かったですね。 合唱団を半円形に並ばせる鈴木さんの手法は、びわこホール《シチリアの夕べの祈り》で見たことがあります。 オーケストラは失敗したときだけ取り上げられる気の毒な立場ですが、『エルザの聖堂への入場』など、夢のように美しかった。 コンサートマスターの隣の奏者が途中で退場してしまいましたが、急病でしょうか? このような場合、後ろの奏者が前に詰めるのが普通ではないでしょうか? 最後の部分で4人のバイオリニストが高い和音を演奏する部分があるんですが、第2音が抜けてしまったのでしょうか? キャストでは小山由美さんのオルトルートに期待していたんですが、低い音が弱く、凄みが足りないのは意外でした。 他の方は予想通り。 成田勝美さんのローエングリンは、時々心配でしたが、これも予想通り。 これだけのレベルの歌唱を聴かせていただいたことに、素直に感謝しておきましょう。 しかし、プログラムにも書かれていましたが、ローエングリンって変な人ですね。 聖杯の騎士という高貴な身分を捨て、エルザと結婚して、死ぬまで暮らすつもりだったんでしょうか? ローエングリンには双子の兄弟(カルディス)がいるはずだから、婿入り先を探していたのかな? それでもエルザとの破局後、ローエングリンは聖杯王になるんですよね? 僕はドレスデンでワーグナーが《ローエングリン》を作曲した家に行ったことがあります。 興味がある方は http://www.nakash.jp/opera/2000bach/06lohengrin.htm へどうぞ。 |