能《隅田川》と オペラ《カーリュウ・リヴァー》 2005年9月10日 豊田市コンサートホール |
ベンジャミン・ブリテンは1956年に来日した時、能《隅田川》を観劇して感動し、オペラ《カーリュウ・リヴァー》を作曲しました。 今回は、能《隅田川》とオペラ《カーリュウ・リヴァー》を続けて上演するという趣味の良い企画。 趣味の良い企画なので観客数が心配でしたが、満席に近い状態でした。 2005年9月10日(土)2:00PM 豊田市コンサートホール
能《隅田川》 狂 女/シテ :梅若六郎 梅若丸/子方 :梅若美和音 船 頭/ワキ :高安勝久 旅 人/ワキツレ:椙元正樹 武蔵と下総の国堺にある隅田川に、我が子を人買いにさらわれた狂女やって来る。 船頭の話では、一年前に人買いが置き去りにした少年は京都の吉田少将の一人子梅若丸と名乗り、いま一度母に会いたいと訴え、間もなく病死した。 狂女が墓前で世の無常を嘆き悲しむと、少年の声が聞こえ、幻が現れる。 母親が近づこうとすると、夜明けの光とともに幻は消え、あとには草茫々とした塚があるのみだった。 休憩後、企画の渡壁Wさんと演出の梅若六郎のお話がありました。 ブリテンが約50年前に《隅田川》を観劇したとき、彼は特に子方・梅若丸の声に強い印象を受けたらしい。 そして、その時に子方を演じていたのが、当時8歳だった、この五十六世梅若六郎さんだったそうです (@o@)。 この日の梅若丸役の梅若美和音ちゃんは梅若六郎さんの孫で8歳ですが、もう何度もこの役を演じているそうです。 オペラ《カーリュウ・リヴァー》日本語上演(訳:若杉弘) 演 出:梅若六郎 指揮:新通英洋(しんどおりひでひろ) 狂 女:経種廉彦(いだねやすひこ) 渡 守:久保和範 旅 人:松本幸二 ブリテンはストーリーを中世ヨーロッパの世界に移しかえ、都鳥鳴く隅田川をカーリュウ(たいしゃくしぎ)の鳴くカーリュウ・リヴァ一に置き換えました。 歌詞は若杉弘さんによる、古典調のものですが、能では「南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏」となっていたものが、オペラでは「キリエ エレイソン」と変えられていたところがおかしかった (^o^) 。。 オペラに出てくる役者の衣装は、能の衣装と同じで、演技も能に準じた演出。 経種さんは狂った女性の役を能面も無く演じなくてはならないので、オペラグラスで見ると何だか変でした (^_^;。 オペラ自体は、ブリテンの他のオペラに較べ、出来は良くないような印象です。 僕は6:30PMから、岐阜県笠原町のスタジオFで穐吉敏子のコンサートを聴く予定があるので、精神的に余裕がなかったこともあるのですが、オペラがなかなか終わってくれないのには参りました。 「新豊田駅」から愛知環状鉄道に乗り、高蔵寺経由で多治見に向かいます。 愛知環状鉄道は万博に向かう人々で混雑していました。 |