関西フィル 《ナクソス島のアリアドネ》
 2005年9月17日(土)5:00PM ザ・シンフォニーホール

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  《ナクソス島のアリアドネ》は僕にとって特別のオペラです。
 あれは1980年8月19日、僕はザルツブルク音楽祭でこのオペラを見たんです。

 この年はベームの最後のシーズンとなった年であり、グルベローヴァが「ナクソス島のツェルビネッタ」としてセンセーションを巻き起こした年でしたが、僕がノックアウトされたのはディーター・ドルンの演出。

 シューボックススタイルの小ホールを巧みに利用し、第二幕では客席の我々が祝宴の客となってしまうという秀逸な演出はベームのお気に入りでしたが、この舞台で僕はオペラ演出の魅力に取り憑かれてしまったんです。

 今回は関西フィルが飯守先生の指揮でこのオペラを上演するということなら、何が何でも行かなくてはなりません。

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ザ・シンフォニーホール ロビー


  関西フィルハーモニー管弦楽団第177回定期演奏会
   リヒャルト・シュトラウス《ナクソス島のアリアドネ》
 2005年9月17日(土)5:00PM ザ・シンフォニーホール

          指揮:飯守泰次郎

     執事:木川田 誠   音楽教師:片桐直樹
    作曲家:福原寿美枝   バッカス:竹田昌弘
  アリアドネ:畑田弘美  ツェルビネッタ:日紫喜恵美
  舞踏教師:二塚直紀

 18世紀のウィーン。
 富豪の邸宅で、新作オペラ《ナクソス島のアリアドネ》が上演される。
 第1幕はオペラ上演前の、舞台裏のドタバタ。
 憤慨する作曲家に、悲劇は祝宴にふさわしくないので、道化の喜劇と一緒に演じるようにとの主人の命令が下る。

 第2幕は邸宅で演じられるオペラ《ナクソス島のアリアドネ》。
 ギリシアの孤島、ナクソス島。
 夫テセウスに捨てられたアリアドネを道化師たちが慰めるが、彼女は嘆き悲しみ死を望む。
 そこにバッカスが現れ、二人は恋に落ちる。

 プログラムには演奏会形式と書かれていましたが、オケの後ろに舞台を組んで演技・衣装・照明を付けて演じられるオーケストラル・オペラのスタイル。
 実にしっかりした演出なのに、演出家の名前が書かれていないのは不思議です。

 ワーグナーの演奏では他の追随を許さない飯守先生ですが、リヒャルト・シュトラウスも素晴らしかった。
 最初の柔らかい音から、オケに惹き付けられました。
 今後も多くのオペラを聴かせていただきたいものです。

 主役からアンサンブルまで、関西二期会のレベルの高い歌唱には、改めて感心しました。
 中でも作曲家(典礼服を着たモーツアルト風)の福原さんと舞踏教師の二塚さんが、豊かな声量で気に入りました。

 コロラトゥーラの日紫喜さんは「日本のツェルビネッタ」でしょうか。
 下着姿でおへそが見えていました。 オペラグラス必携 (^_^;。

 バッカスの竹田さんは、この役にしては声が軽いかとも思いましたが、本業はゼネコンの設計士で、愛知万博のマンモス展示館も設計したとか (@o@)。
 東京シティフィル《パルジファル》での健闘を期待しておきましょう。

 三人のニンフは色とりどりの美しいドレスでステージ後方の座席で歌い、最後はステージに降りてきました。
 
 
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