新国立劇場 《アンドレア・シェニエ》 2005年11月26日(土)5:00PM |
新国立劇場には「東京の人ばかりが良い思いをしている」という「ひがみ根性」があって (^_^ゞ、あまり行く気がしません。 しかし2006年来日の「ボローニャ歌劇場」の同じ演目(ホセ・クーラ主演)よりは安上がりか、という名古屋人気質で (^_^ゞ、 《アンドレア・シェニエ》に行ってきました。
新国立劇場《アンドレア・シェニエ》 2005年11月26日(土)5:00PM 指揮:ミゲル・マルティネス・ゴメス 演出・美術・照明:フィリップ・アルロー アンドレア・シェニエ:カール・タナー マッダレーナ:ゲオルギーナ・ルカーチ ジェラール:セルゲイ・レイフェルクス 舞台にファルスタッフのような肥満体が現れて、これが詩人アンドレア・シェニエだというんですから愕然としました。 有名なアリア「ある日青空を眺めて」も、後ろで不必要な動きがあったり、シェニエがマッダレーナをベタベタ触ったり。 ゴメスの指揮も盛り上がりに乏しく「これはダメかな?」と思いましたが、第一幕のフィナーレのあたりから面白くなってきました。 二幕からはシェニエのお腹は見ないようにして‥‥ (^_^;。 キャストではレイフェルクスが、歌唱も演技も良かったですね。 三澤洋史さん率いる新国立劇場合唱団の実力もなかなかのものかと思いました。 バイロイト音楽祭《タンホイザー》の演出を手がけたフィリップ・アルローの演出は、斜めに倒れかかった壁と回り舞台を使って場面転換をスムーズに運んだもの。 物語の本筋を歪めずに、新しいアイディアに取り組んだ演出で、気に入りました。 特に印象的だったフィナーレの部分を書いておきましょう。 シェニエとマッダレーナは処刑を前にして愛の二重唱を歌います。 本来なら彼らは処刑場への馬車に乗るんですが、舞台の後ろからぞろぞろと人々が入ってきて、舞台は人で埋め尽くされます。 二重唱の最後、そのクライマックスで舞台上の人物は崩れ落ち、舞台は真っ暗になり、レーザービームがチカチカします。 そして一転して舞台が明るくなると、子供達が三色旗を持っていて、全体としてドラクロワ「民衆を率いる自由の女神」の構図になっているという、見事なものでした。 まあ、ドラクロワの絵は1830年に起きた「7月革命」が主題なんですけれどもね。 |