吉例大須師走歌舞伎  大須演芸場
《宮城野信夫 由比ヶ浜ノ仇討》  =はじめに=
2005年12月3日(土)6:30PM

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◇吉例大須師走歌舞伎 《宮城野信夫 由比ヶ浜ノ仇討》

       台本・演出:岩田信市
 平成十七年十二月二日(金)〜二十三日(金)
          大須演芸場

 大きなテーマは高舘家の家老である志賀台七に剣術指南の父親(杉本甚内)を殺された娘宮城野信夫姉妹の仇討ち。
 もう一つは、楠流の印可の巻物(菊水の巻)と島原の戦いで高舘家が得た鎮守府の印をめぐる争い。

 最後は台七を討ち果たし、宇治兵部之輔が志賀谷五郎と奴佐五平を引き連れて、幕府へ謀反の旗挙げをする、というストーリー。

 これにキリシタン邪法の鏡「おもかげ」も出てきて、ややこしいことです。

 この舞台はピカレスク(悪漢)歌舞伎で、頑張っている野口さんには申し訳ないが、悪い人に正しい人が苛められているのにはイライラして、何回も繰り返して見ようという気持ちにはなれません。

 それから、「誰々、実は誰々」といういつものパターンで、原さんなど4役(5役?)が頻繁に入れ替わり、一体いま誰を演じているのか(特に宇治兵部輔と楠原普伝)理解できなくなることがありました。

 間瀬さんも、最初の谷五郎は侍の姿で、それから色々な役を演じてから、最後に出てくる谷五郎は児雷也のような髪型。
 本物なのか偽物なのか、いい人なんだか悪い人なんだか‥‥見ていて悩ましかったですね。

 結局、宇治兵部輔は由比正雪で、楠木正成の子孫であり、楠流の印可の巻物と天草四郎ゆかりの鎮守府の印を持って、足利幕府打倒の兵を挙げ、鎌倉へ攻め上る。

 江戸時代、室町時代、鎌倉時代、これだけ時代がごちゃごちゃになると、こちらの頭もごちゃごちゃになってしまいます (^_^ゞ。

 でも、終わってしまえば「皆様お疲れさま」と拍手拍手。
 キャストでは、新人の小川由子さんの「おりき」に感心しました。

 6時30分開演、10分、5分、5分の休憩を挟み全四幕。
 終演は10時10分の大作でした。

 志賀台七:野口登志(大多摩屋)
 杉本甚内・宇治兵部輔・大福屋宗六・楠原普伝(実は森唐意軒):原智彦(おもなが屋)
 志賀谷五郎 ほか:間瀬礼章(亀崎屋)
 奴佐五平 ほか:水谷真人(知鯉附屋)
 高舘の若殿伊達六太郎 ほか:児見山宗志(指月屋)
 台七手下津軽官兵衛 ほか:紀平束沙(希清屋)
 台七手下安達丈介 ほか:浅野 誠(松濤屋)
 高舘大学 ほか:鎌田大資(活動屋)
 門弟・忍者・侍 ほか:小野誠司、水谷充裕

 雛形姫 ほか:古田悠かり
 宮城野 ほか:吉野貴子(櫻屋)
 信夫 ほか :齋藤悠里(鶴城屋)
 甚内の妻磯崎 ほか:柴田しのぶ(茜屋)
 佐五平の妻おりき ほか:小川由子
 兵部輔の妻せつ ほか:竹内海央
 
 
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