レニングラード国立歌劇場オペラ 《イーゴリ公》
2007年12月5日(水) 6:30PM 
中京大学文化市民会館 オーロラホール

「REVIEW07」に戻る  ホームページへ
 
 
 名古屋市民会館大ホールはネーミングライツ(命名権)契約で、中京大学文化市民会館 オーロラホールという、なんだか(僕には)恥ずかしい名前になってしまいました。
 契約期間は5年間。ネーミングライツ料は1年につき5千万円だそうで、市にお金がないとは悲しい事です。

   レニングラード国立歌劇場オペラ《イーゴリ公》
      2007年12月5日(水)6:30PM
    中京大学文化市民会館 オーロラホール

     指揮:アンドレイ・アニハーノフ
     演出:スタニスラフ・ガウダシンスキー

     イーゴリ公:ニコライ・コピロフ
     ヤロスラーヴナ:ヴァレンチナ・サラプロワ
     コンチャク汗:カレン・アコポフ
     ガリツキー公:アレクサンドル・マトヴェーエフ
     ウラジーミル王子:ドミトリー・カルポフ
     コンチャコヴナ:ナタリア・ヤルホワ

 《イーゴリ公》は日本で上演される機会が少なく、僕ももちろん初見です。
 開演前に「あらすじ」をざっと見ただけの観劇ですが、大いに楽しむ事が出来ました。
 第三幕をカットして、休憩一回(20分)。
 それでも3時間以上かかる大作です。

 ロシアの危機を憂えたはイーゴリ公は、ポロヴェッツ人(ダッタン人)との戦いに出かけるが、敗戦し捕虜となってしまう。
 しかし、逃げ出してロシアへ戻り、妻のヤロスラーヴナや市民の歓喜のうちにオペラは幕を閉じる。

 ボロディンの未完の作品を「五人組」仲間のリムスキー・コルサコフと弟子のグラズノフが完成させたものだそうです。
 ストーリー的にはちぐはぐな部分がありますが、それを吹っ飛ばすほどボロディンの音楽は魅力的です。
 ボロディンの作品は「中央アジアの草原にて」と弦楽四重奏「ノクターン」くらいしか知らなかったんですが、「才能のある人だったんだ」と再認識しました。
 やはり、第二幕第二場の「ダッタン人の歌と踊り」が圧倒的でしたね。

 ガウダシンスキーの演出は、抽象的な舞台にイコンのキリスト像やパオ(モンゴル型住居)などのパーツを配したシンプルなものですが、照明を巧みに利用し、歌手やコーラスの迫力などもあって、良い出来かと思いました。

 歌手は王子以外は素晴らしい歌声で、スラブの歌声を堪能する事が出来ました。
 特にコンチャコヴナのナタリア・ヤルホワ(アルト)の深みのある歌声は驚異的でした。
 若くて美人のマリリン・ホーンでしょうか。
 彼女のデリラをぜひ聴いてみたいものです。
 
 
「REVIEW07」に戻る  ホームページへ