チェコ国立ブルノ歌劇場《タンホイザー》
中京大学文化市民会館 オーロラホール
2008年1月13日(日)5:00PM

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   チェコ国立ブルノ歌劇場《タンホイザー》
  中京大学文化市民会館 オーロラホール
    2008年1月13日(日)5:00PM

    指揮:ヤン・ズバヴィテル
    演出:ラディスラフ・シュトロス

  領主ヘルマン:マルティン・グーバル
  タンホイザー:ヘンドリク・フォンク
  ヴォルフラム:ウラディミール・フメロ
  エリザベート:ダナ・プレショヴァー
  ヴェーヌス:ボロシュ・チルラ

 我々がモラヴィアの首都ブルノに行くことは、なかなか出来ることではありません。
 そのブルノからオペラハウスがわざわざ名古屋まで来てくれる、しかも演目が《タンホイザー》なんですから、行かないわけにはいきません。
 中欧の地方都市のオペラハウスの公演とはどのようなものか、興味津々です。

 まずはシュトロスの指揮。
 序曲を聴いた印象では、飯盛泰次郎先生ほど彫りが深くはないが、小澤征爾さんほど薄くはない、まずまずワーグナーの音楽を楽しめる指揮者かと思いました。

 歌手はタンホイザー以外は素晴らしい歌声で、感心しました。
 特にエリーザベトのプレショヴァーは第一声からビビビッと来ました。
 ヴェーヌス、ヘルマン、ヴォルフラムは新国立劇場のキャストより役にふさわしい歌声で、気に入りました。
 世界には(僕が)名も知らぬ実力派歌手がいるものだと驚きました。

 シュトロスの演出は抽象的な装置を使ったものでしたが、全体的に締まりがなく、良くありませんでした。
 ヴェーヌスベルクのダンサーが、不必要に出てきまして、場末感が漂いました。
 これだけの実力のある歌手たちを、もっと良い演出で歌わせてあげたいものだと、新国立劇場の舞台を思い出し、脳内補完をしておりました。

 彼らはこれから毎日のように《タンホイザー》を上演しながら全国を回るようで、その気力に驚くと同時に、体調には気をつけていただきたいものだと思いました。
 いつの日か、ブルノにヤナーチェックの史跡を訪ねてみたいものです。
 
 
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