ミュージカル 《SEMPO》 杉原千畝物語
2008年4月13日(日)2:00PM

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  ミュージカル《SEMPO》 杉原千畝物語

 2008年4月26日(土)7:00PM 名鉄ホール
 脚本・プロデューサー:川崎 登 山田修爾
 演出・脚色:大谷美智浩
 音楽:中島 みゆき  吉川 晃司  PETER YARIN
 
      杉原千畝:吉川 晃司
      妻・幸子:森奈 みはる
      ノエル:今 拓哉
      エバ:彩輝 なお
      エリーゼ:井料 瑠美
      ニシュリ:泉見 洋平
      節子:辛島 小恵
      グッシェ:田村 雄一
      ソリー:池田 祐見子
      カイム:沢木 順


 リトアニア領事代理の杉原千畝が「命のビザ」を書いたのは1940年(昭和15年)7月25日からベルリンへ旅立つ9月5日まで。
 1か月余りでおよそ6000人のユダヤ人を救ったとされています。

 ミュージカルとしては、杉原一家の家族愛とエバ一家の悲劇を軸としているのでしょうが、余分な部分が多い感じがします。
 歴史的な背景を説明したいとうことになると、どうしても教科書のようになってしまうのでしょうか。
 劇団四季の《李香蘭》のように。

 杉原自身の苦悩や家族との情愛など、もっと深く取り上げる人間ドラマは他にあるでしょう。
 その意味では、杉原夫妻のデュエットに泣けました。
 僕がこのミュージカルを見に行った大きい理由は中島みゆきさんの音楽なんですが、彼女の曲が少なかったのは意外だったし、残念でした。
 でもこのデュエット(プログラムを見ても題名が分からない)は良かったですね。
 
 吉川晃司(きっかわこうじ)さんはロックの人気者らしいんですが、見栄えする舞台姿もで、歌も演技も良かったですね。
 劇団四季OBと宝塚OGの混成部隊のようなキャストですが、実力派が揃っていました。
 グッシェ(秘書)の田村さんは存在感があり、ソリー(少年)の池田さんは可愛かった。
 回り舞台を使った演出は、良く出来ていたのではないでしょうか。

 杉原千畝は戦後、家族と共にソ連で1年間の収容所生活を送りました。
 1947年(昭和22年)に日本へ帰国するも、外務省を解雇されてしまいました。
 その後も語学力を活かした職に就き、活躍しました。

 1968年(昭和43年)夏、杉原を捜していた元ユダヤ人難民のニシュリ(泉見さんが演じていた)と28年ぶりに再会。
 翌1969年(昭和44年)、イスラエル宗教大臣より勲章を受けました。
 1985年(昭和60年)、イスラエル政府より「ヤド・バシェム賞」を受賞。
 同年11月、エルサレムの丘で記念植樹祭と顕彰碑の除幕式が執り行われました。

 杉原千畝は1986年(昭和61年)7月31日、心臓病で死去。享年86。
 外務省による名誉回復はそれから5年後の1991年のことであり、鈴木宗男政務次官の尽力がありました。

 僕は岐阜県八百津にある「杉原千畝記念館」に行ったことがあるんですが、名誉館長(?)だった鈴木宗男氏の写真ははずされていました。
 ムネオハウスや「やまりん」からの斡旋収賄容疑で逮捕された2002年のことだったのかな?
 杉原千畝と鈴木宗男の関係を知らなかった僕は、鈴木氏が名誉館長であることを不思議に思ったものです。
 
 
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