エリック・ハイドシェック ジャパンツアー2008
2008年6月4日(水)6:45PM 宗次ホール

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   エリック・ハイドシェック ジャパンツアー2008
   2008年6月4日(水)6:45PM 宗次ホール

 僕がレコードを聴き始めた頃、エリック・ハイドシェックは新譜が毎回のように「レコード芸術」で宇野功芳氏の絶賛を受けていました。
 
 本日のコンサートのプログラム(500円・良心的)の最初も、当然のように宇野功芳氏のハイドシェック賞賛の記事で始まっています。

 初めて見るハイドシェックは結構おじいさんでした (^_^ゞ。
 1936年生まれだというから、70歳を過ぎているんですね。
 
 曲目は「オール・ベートーベン・プログラム」。
 「悲愴」を聴くのも何十年ぶりでしょうか。
 あの頃は無名だったアルフレード・ブレンデルの1000円レコードで、三大ソナタを聴いたものでした。

 序奏のグラーヴェからアレグロに入ってしばらくして、ハイドシェックは弾くのをやめてしまいました。
 何か不都合があったのかと緊張したのですが、ハイドシェックは「アイムソーリー」と言って、少し前から弾き直しました。
 しかし又、同じ場所で止まってしまいました。

 先日『巨匠たちのラストコンサート』(中川右介・文春新書)を読んだばかりなので、僕の頭に「引退」の文字が浮かんだのもやむを得ないことでしょう。
 しかし、これはアレグロの最初から弾き直すためだったらしい。
 それからは止まることもなく全曲を弾き切りまして、「引退」の文字は消えました (^_^; 。
 でも、ちょっと焦った感じはあったでしょうか。

 前半だけで帰ってきましたが、宗次ホールは定員300人くらいの小ホール。
 6月6日(金)にはサントリーホール・大ホールでの演奏会が予定されています。

 2008年6月14日の中日新聞夕刊9面のコラムに「巨匠の弾く手を止めた扇子」という記事が出ました。
 終演後、ホール関係者から聞いた話では「客席であおぐ扇子の動きが目にちらつき、集中力をそがれた」とのこと。
 もし本当なら、ベテランのプロとして情けないのではないかと思いました。
 
 
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