名古屋二期会 2008年度 オペラ定期公演
林 光 作曲 オペラ 《森は生きている》
2008年10月5日(日)5:30PM 名古屋市芸術創造センター

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   名古屋二期会 2008年度 オペラ定期公演
     林 光 作曲 オペラ《森は生きている》
      2008年10月5日(日)5:30PM
        名古屋市芸術創造センター

      指揮:新通英洋  演出:堀口文成

    むすめ 7月 廷臣:豊城弘美
    もう一人のむすめ 6月 リス 廷臣:松林宏子
    おっ母さん 9月 廷臣:渡部千枝
    女王 10月:藤田桂子
    女官長 8月 オオカミ:澤田昂英
    3月 リス オオカミ 廷臣:長坂佐代子
    2月 廷臣:淺野淑子
    5月 ウサギ もう一人の兵士 廷臣:水谷友香
    博士 12月 古老:松下雅人
    1月 総理大臣:加藤 智
    兵士 11月:関口大介
    4月 カラス 警護隊長:鈴木俊也
    ピアノ:山本敦子

 副題に『サムイル・マルシャークの戯曲(湯淺芳子訳)による22場のオペラ』とあるように、ロシアの児童文学者、サムイル・マルシャーク(1887~1964)の原作をもとに、オペラシアターこんにゃく座の芸術監督を務める林光さんがオペラ化したもの。

 わがままな若い女王が真冬のさなかに「マツユキ草(四月に咲く)を持ってきたものに褒美を与える」というお触れを出す。
 むすめは継母のいいつけで、マツユキ草を採ってくるようにと真冬の森に追いやられる。
 森の中でむすめはたき火を囲む十二月の精たちに出会い、マツユキ草を手に入れて帰ることができた。
 継母は女王にマツユキ草を届け褒美をもらおうとするが‥‥

 僕は「おとぎばなし」は好きではないので、わがままな女王の場面などは退屈して見ていたのですが、むすめが森の精に会うところでおかしなことに気が付きました。
 森の精が何回数えても11人しかいないんです (@o@)。
 ロシアでは11月までしかないのでしょうか?
 体調不良で一人降りてしまったのでしょうか?

 休憩時間にプログラムを見て、このオペラが12人で演じられていることに気が付きました。
 上のキャスト表を見て下さい。 分かりますか (^_^; ?

 この仕掛けに気が付いて、がぜん面白くなりました。
 第二幕ではむすめ、女王、家庭教師、兵士、継母、女官長はマツユキ草を採りに森へ出かけるのですが、そうすると出てくる森の精の数が減っているんですよ (^_^; 。

 森の精は1月が長男で、2月、3月と続くんですが、12月がリーダーらしい。
 4月の青年とむすめとの間には淡い恋も芽生えます。
 
 林さんの音楽は分かりやすいもので、ストーリーも教訓じみているが、けっこう感動的。
 12人が森の精となってのフィナーレは心温まるもので、僕はこのオペラのファンになってしまいました。
 
 堀口文成さんの演出は照明と映像を巧みに利用したもので、ギャグ的な動きも入れてアイディアに溢れています。
 カーテンコールで舞台上のキャストが指揮者を指すと指揮台で指揮者が立ち上がり、スポットライトが当たります。
 そして指揮者がピアニストを指すとピアニストが立ち上がり、ピアニストに別のスポットライトが当たります。
 この細やかな照明にはすっかり感心してしまいました。

 そして舞台上に上がった指揮者が会場を指すと、客席にスポットライトが当たり、林光さんが立ち上がったんですね (@o@)。
 本当に良いオペラ公演でした。
 
 
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