モーツァルト劇場25周年記念公演
喜歌劇《愚か娘になりすまし》(日本語初演)
2008年10月12日(日)2:00PM 浜離宮朝日大ホール

「REVIEW08」に戻る  ホームページへ
 
 
 《愚か娘になりすまし》は12歳のモーツァルトが皇帝ヨーゼフ2世の求めに応じて作曲したオペラ・ブッファです。
 このオペラは今まで《見てくれの馬鹿娘》という題名で呼ばれていたと思うんですが、今回の公演は《愚か娘になりすまし》と題名が変わっています。

 イタリア語の題名は『La Finta Semplice』。
 「La」は女性の定冠詞。
 「Finta」は女性形名詞で「見せかけ」。
 「Semplice」は英語の「simple」で、単純→頭カラッポ→愚かな ということになるらしい。
 結局、このオペラの題名は《愚かに見せかけた女》ということになるらしい。

 で、何が愚かかというと、二人の男(兄弟)を愛することが愚からしい。
 それは愚か娘でも、ましてや馬鹿娘でもないだろう、というのが今回の印象です。

国立がんセンターの裏に 浜離宮朝日大ホール
右手にオーケストラ ロビー


     モーツァルト劇場25周年記念公演
   喜歌劇《愚か娘になりすまし》(日本語初演)
     2008年10月12日(日)2:00PM
         浜離宮朝日大ホール

     総監督:高橋英郎
     指揮:森口真司  演出:上村聡司

     ロジーナ(S):菊池美奈
     ドン・カッサンドロ(B):志村文彦
     ドン・ポリドーロ(T):井ノ上了吏 
     ジャチンタ(S):上江理都
     ニネッタ(S):赤星啓子
     ドン・フラカッソ(T):布施雅也
     シモーネ(Br):栗原 剛


 客席は6~7割の入り。
 全3幕で、1幕の後に休憩がありました。

 クレモナの大地主ドン・カッサンドロはバツイチで女嫌い。
 その弟がドン・ポリドーロ。

 地主の邸に宿泊したハンガリーの将校フラカッソは兄弟の妹ジアチンタと恋仲になるが、ドン・カッサンドロの監視が厳しい。。
 そこでフラカッソは姉(妹?)ロジーナを呼び寄せて、二人の兄弟に気があるように見せかけると‥‥。

 これに小間使いニネッタとフラカッソの部下シモーネの恋も絡んで、最後は三組のカップルが誕生する、というお話。

 ストーリーはちょっと分かりにくいものでしたが、12歳のモーツァルトが作曲した音楽は実に充実したものでした。

 高橋英郎さん率いる「モーツァルト劇場」は日本語訳での上演を特徴としているらしい。
 その日本語が聞き取りやすい人と聞き取りにくい人がありました。
 男声の方が聞き取りやすかったでしょうか。

 キャストでは、ドン・カッサンドロの志村文彦さんとニネッタの赤星啓子さんのコミカルな演技が圧倒的に面白かった。
 その他のキャストも、立派にその役割を果たしていたと思います。
 上村聡司さんの演出は、一人一人にきちんと演技を付けたものでした。

 ジァチンタの上江さんはアリアが終わって客席を通って走り去るところで、段差につまずいて転んでしまいました (@o@)。
 かなりひどい転び方だったので、膝のお皿にヒビが入ったかと心配しましたが、後の演技に影響はなかったようで、一安心。
 でも、今頃は脚に湿布をしているのではないかな (^_^; ?
 
 
「REVIEW08」に戻る  ホームページへ