METライブビューイング 《夢遊病の娘》
2009年4月12日(日)10:00AM 新宿ピカデリー

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 この日は2時から新国立劇場の《ワルキューレ》。
 メットライブビューイングを名古屋で見ていては、とても間に合いません。
 しかし、昨年の《連隊の娘》で感服したナタリー・デセイとファン・ディエゴ・フローレスのコンビはどうしても見ておきたい。

 ということで前日は東京に泊まり、新宿ピカデリーでの鑑賞です。
 痛ましいまでの努力ではありませんか (^_^ゞ。

  ヴィンチェンツィオ・ベッリーニ 《夢遊病の娘》
    2009年4月12日(日)10:00AM
    新宿ピカデリー

   指揮:エヴェリーノ・ピド
   演出:メアリー・ジマーマン

   アミーナ:ナタリー・デセイ
   エルヴィーノ:ファン・ディエゴ・フローレス
   ロドルフォ伯爵:ミケーレ・ペルトゥージ
   リーザ:ジェニファー・ブラック

 エルヴィーノと婚約したアミーナは夢遊病の娘。
 寝ている間にロドルフォ伯爵のベッドに入り寝込んでしまい、エルヴィーノは大激怒。
 当然、婚約破棄。

 しかし、彼女は皆が見る前に夢遊病状態で現れ、夢の中でエルヴィーノへの愛を歌い、誤解も解けて目出度し目出度しという、リアリティゼロのストーリー (^_^ゞ。

 この困難なストーリーに対して演出家のジマーマンは、このオペラ自体をオペラ《夢遊病の娘》の練習風景にするというる解決方法を見いだしました。

 しかし、これはあまりうまく行っていませんでした。
 オペラと言うよりは完成していない練習風景を見せられたという不満が募ります。

 ナタリー・デセイは声の調子が悪そうでしたが、難しそうなコロラトゥーラをちゃんと歌っていましたし、愛嬌のある演技がよい。

 一方のフローレスは絶好調。
 昨年の《連隊の娘》では脳天気な役柄でしたが、今年の《夢遊病の娘》では苦悩に満ちた歌も多く、改めてその実力に感服しました。

 カーテンコールの後ろではフローレスがデセイを抱きしめてクルクル回り、このような舞台裏を見ることが出来るのもこのシリーズの魅力です。
 案内役はデボラ・ヴォイトでした。
 
 
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