METライブビューイング ロッシーニ《チェネレントラ》
2009年5月31日(日)10:00AM ミッドランドスクエアシネマ

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 今シーズンのMETライブビューイングも、いよいよ最後の演目となってしまいました。

      METライブビューイング
     ロッシーニ《チェネレントラ》

   2009年5月31日(日)10:00AM
     ミッドランドスクエアシネマ

    指揮:マウリツィオ・ベニーニ
    演出:チェザーレ・リエーヴィ

   アンジェリーナ:エリーナ・ガランチャ
   ドン・ラミーロ:ローレンス・ブラウンリー
   ダンディーニ:シモーネ・アルベルギーニ
   ドン・マニフィコ:アレッサンドロ・コルベッリ
   アリドーロ:ジョン・レリエ

 落ちぶれたドン・マニフィコ男爵家には3人の娘がいた。
 一人だけ母親が違うアンジェリーナは姉クロリンダとティスペニに召使いのように扱われ、チェネレントラ(灰かぶり)と呼ばれていた。

 ある日、ドン・ラミーロ王子の後見人アリドーロが貧しい服装でやって来る。
 姉たちは冷たくあしらうが、優しいチェネレントラは彼に食べ物を差し出す。
 そして‥‥

 まずはアンジェリーナ役のガランチャが、美人で、スタイルが良くて、歌、演技のすべてにおいてすっかり気に入ってしまいました (^_^) 。

 しかし休憩時間のインタビュー(トマス・ハンプソン)によれば、もうロッシーニを歌うのを止めるそうです。
 「コロラトゥーラにも恵まれているのに」という質問には「あれはGYMNASTICで、大したことじゃないわ」と答えていたような。

 インタビューの最後に、「どうしても一言いわせて」とのことで、「ラトヴィアのママ、母の日おめでとう!」とラトヴィア語で叫んだようです。

 対する王子役のブラウンリーは、黒人で背が低く、しかも坊主頭。
 とてもヨーロッパのお伽話の王子様には見えません。
 ダンディー二と衣装を取り替えれば、どう見てもホテルのボーイ。
 申し訳ないが、チェネレントラが一目惚れするというストーリーには不適でしょう。

 歌は申し分なく、盛大な拍手を浴びていました。
 僕も会場にいたら拍手をしたことでしょう。
 しかし、映像として見るのならフローレスとか、他にも適役はいただろう、という残念な気持ちは残ります。

 チェザーレ・リエーヴィの演出は、装置は簡素ながらアイディアで笑わせるタイプの好ましいもの。
 休憩前の変身の場面で、服を着せ替えなかったのはお手柄かと思いました。

 他のキャストはいずれもブッフォに慣れたメンバーでしたが、中でもドン・マニフィコと二人の姉が可笑しかった。
 ドン・マニフィコ役のコルベッリは前シーズンの《連隊の娘》でも大活躍していたブッフォ歌手です。

 ついでに、アリドーロ役のジョン・レリエは《ファウストの劫罰》で最高のメフィストを演じていました。
 
 
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