『The Audition ~メトロポリタン歌劇場への扉』
2009年6月7日(日)10:00PM ミッドランドスクエアシネマ

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  「The Audition ~メトロポリタン歌劇場への扉」
     2009年6月7日(日)10:00PM
       ミッドランドスクエアシネマ

 2007年のメトロポリタン歌劇場における「ナショナル・カウンシル・オーディション」を、映画監督スーザン・フロムキーがドキュメント化した映画。

 賞金だけではなく、メジャーなオペラ界でのキャリアが確立されるメットのオーディション。
 1800人もの応募者から最終選考に選ばれた11人の若手歌手の、公開オーディションまでの最後の一週間の様子を追っています。

 最終的には6人のファイナリストが選ばれました。

 出演
 アレック・シュレイダー(テノール/ファイナリスト)
 マイケル・ファビアーノ(テノール/ファイナリスト)
 ライアン・スミス(テノール/ファイナリスト)
 アンジェラ・ミード(ソプラノ/ファイナリスト)
 マシュー・プレンク(テノール)
 アンバー・ワーグナー(ソプラノ/ファイナリスト)
 ジェイミー・バートン(メゾソプラノ/ファイナリスト)
 キーラ・ダフィー(ソプラノ)
 ディゼラ・ラルスドティエ(ソプラノ)
 ライアン・マキニー(バリトン)
 ニコラス・パレセン(バリトン)

 マルコ・アルミリアート(指揮)
 ピーター・ゲルブ(支配人) 他

 圧倒的に魅力的だったのは、25歳で長身ハンサムなアレック・シュレイダー。
 彼はマルコ・アルミリアート(とてもいい人みたい)による最初のレッスンの時に、「何か他に準備している曲は?」と聞かれて、「《連隊の娘》のアリアを‥‥」と口走ってしまい、アルミリアートの「ぜひそれをやろうよ!」との言葉で、このアリアに挑むことになります。
 そして公開オーディションでは9つの「ハイC」を見事に決めてしまったんですね (^_^) 。
 性格も明るいし、事故がなければ世界のスーパースター間違いなし。

 『清らかな女神よ』を歌ったアンジェラ・ミードも深い声で圧倒的な歌唱でしたが、この人は圧倒的な肥満体で (^_^; 、本人も「将来のキャリアのハンディになるかも」と言っていました。

 一番多く取り上げられたのはマイケル・ファビアーノで、この人は22歳という若さでしたが、髪が薄かったです (^_^; 。

 ファイナリストには成れませんでしたが、キーラ・ダフィーという細身のソプラノも印象的で(痩せていると肺活量が足りなくなるとか)、その後全米のオペラハウスで活躍しているそうです。

 マルコ・アルミリアートを始めとするバックステージのスタッフはみんないい人みたい。
 審査員にはヒューストンやシカゴ(?)などのオペラハウスのスタッフもいて、ここでの成功により、全米のオペラハウスへの道が開けるようです。

 映画の最後に、ファイナリストのライアン・スミスが1年間の闘病の末に死亡したことが挿入され、愕然としました。
 カード破産から立ち直り、30歳にしてファイナリストとなった肥満体の黒人ライアン・スミス。
 チレアの『フェデリコの嘆き』をしみじみと歌い上げて大喝采を博した彼が、もうこの世の人でないとは。

 翻って自分を鑑みて、馬齢を重ねるというか、「よくこの歳まで生きてきたなあ」と鬱な気持ちで映画館を出ました (^_^; 。
 
 
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