METライブ・ビューイング 《ホフマン物語》 2010年1月24日(日)10:30AM ミッドランドスクエアシネマ |
あれは1980年8月18日、ところはザルツブルグ音楽祭大ホールで、僕は《ホフマン物語》を見たのでした。 ジャン・ピエール・ポンネルによる新演出が有名な舞台で、ホフマン役はプラシド・ドミンゴ、指揮はジェームズ・レヴァインでした。 ところがこの舞台が僕には気に入らなかった。 「オペラとはこれほど退屈なものか」とオペラに絶望したような感じ。 このことをオペラマニアに話すと、「それは君がおかしい」と説教されたりします (^_^; 。 でも、翌日にディーター・ドルン演出、カールベーム指揮の《ナクソス島のアリアドネ》 を見て、「オペラとは、演出とは、これほど素晴らしいものか!」と舞い上がってしまったんですけれどもね (^_^ゞ。 「月とすっぽん」でしょうか。 いや~、30年前ですか。 そして今回の指揮者はまたまたジェイムズ・レヴァイン (@o@)。 彼も歳を取り、腰痛が悪化しているそうで、椅子に腰掛けるのも大変そうでした。 METライブ・ビューイング 《ホフマン物語》 ![]() 2010年1月24日(日)10:30AM ミッドランドスクエアシネマ 指揮:ジェイムズ・レヴァイン 演出:バートレット・シャー ホフマン:ジョセフ・カレーハ ミューズ,ニクラウス:ケイト・リンゼイ リンドルフ,コッペリウス,ミラクル博士, ダッペルトゥット:アラン・ヘルド オランピア:キャスリーン・キム アントニア/ステラ:アンナ・ネトレプコ ジュリエッタ:エカテリーナ・グバノヴァ オッフェンバックが、その最晩年に作曲した未完のこのオペラは、オッフェンバックの《三部作》でしょうか。 プッチーニのように完全に別のオペラではなく、ホフマンとニクラウスは全幕に出てきますので、ストーリーが分かりにくくなっています。 オッフェンバックの音楽は有名な『舟歌』など耳に残る部分も多かった。 3幕すべてに出ているのは3人。 ホフマン役のジョセフ・カレーハ(カレーヤと聞こえた・マルタ島出身)は、あまり悩みがない感じで、どうでしょうか? ニクラウス役のケイト・リンゼイは細身のブロンド美人で、気に入りました (^_^ゞ。 4人の悪役を演じたアラン・ヘルドはスキンヘッドの巨漢で、迫力がありました。 3人のヒロインでは、第1幕のキャスリーン・キム(韓国)が圧倒的に儲け役でした。 難しいオランピアのコロラトゥーラを機械人形のジェスチャーをしながら見事に決めていました。 ネトレプコ美しく輝いており、とても瀕死の病人には見えませんでした。 グバノヴァは存在感が少なかったようです。 バートレット・シャーの演出はストーリーをねじ曲げることもなく、適度に抽象的で、こういう演出は大好きです。 第1幕、第3幕の大勢の群衆の隅々まで手が行き届いている感じで、感心しました。 案内役を担当するデボラ・ヴォイトは賢そうな質問を繰り出していました。 |