『君が御声に心は開く』 マリリン・ホーンとエレーナ・ガランチャ

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 1月3日に行われたNHKニューイヤー・オペラコンサートの録画を見てみたら、藤村実穂子さんがサン・サーンスの《サムソンとデリラ》の『君が御声に心は開く』を歌っておられました。
 この曲はNHKニューイヤーオペラコンサートではよく歌われるようで、昨年は林美智子さん(なかなか良かった)が歌っておられたと思います。
 2008年?には小山由美さんが歌われたような記憶があります。

 僕はこの曲が大好きで大好きで (^_^; 。
 この曲の魅力に取りつかれたのは、有名な1990年のジョーン・サザーランド引退記念の《こうもり》のビデオで、マリリン・ホーンを聴いてから。

 御存知の方も多いと思いますが、オルロフスキー公爵(ヨッヘン・コワルスキーが最高)の邸宅で開かれた舞踏会のゲストに招かれたジョーン・サザーランド、マリリン・ホーン、ルチアーノ・パヴァロッティによるガラコンサートがあるんですね。

 もちろん主役は引退するサザーランドですが、僕が気に入ったのはマリリン・ホーンのデリラのアリア。
 深々とした響きとたっぷりと間を取ったロマンティックな音楽に痺れ上がってしまい、何度聴き直した事やら。
 今回の藤村さんがテンポも声質も早送りに聞こえてしまうほど。

 当時の「レコード芸術」のオペラ担当の高崎保男さんはサザーランドやホーンが好みではなかったようで、「サザーランドやホーンが出ているだけでそのレコードはダメ」というような酷評が多かった記憶があります。
 「そんな酷い歌手のレコードが、どうして次々と発売されるのか?」と、僕は不思議でたまりませんでした。

 というわけで、マリリン・ホーンこそが最高のデリラだと思っていたのですが、最近見たエレーナ・ガランチャのデリラにも痺れました。
 これは2007年?にバーデン・バーデンで開かれたオペラ・ガラコンサートで、アンナ・ネトレプコ、ラモン・ヴァルガス、ルドヴィック・ティツィーア? が共演しています。

 このコンサートでガランチャが歌ったデリラのアリアが、マリリン・ホーンと同じように深々とした響きとたっぷりと間を取った歌唱で、とうとうマリリン・ホーンに対抗できるデリラが出てきたのかと嬉しくなってしまいました。
 ルックスで行けば、ガランチャの方がおばあさんのホーンより有利ですよね (^_^; 。

 ところで、「DALILA」って「ダリラ」でしょう?
 歌手も「ダリラ」と歌っているのに、どうして日本では「デリラ」になってしまったのでしょうか?
 
 
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