ハオチェン・チャン ピアノ・リサイタル
2012年10月26日(金)7:00PM しらかわホール

「REVIEW12」に戻る  ホームページへ
 
 
 2009年にテキサス州フォートワースで行われた「第13回ヴァン・クライバーン国際コンクール」に、辻井伸行さんと同時に優勝したハオチェン・チャンのコンサートに行ってきました。
 会場の入りは6~7割でしょうか。

  ハオチェン・チャン ピアノ・リサイタル
  2012年10月26日(金)7:00PM
  しらかわホール

・ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第14番 嬰ハ短調 『月光』
・シューマン:謝肉祭 Op.9
・ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調 Op.22
・ドビュッシー:前奏曲集 第1巻より
 『雪の上の足跡』、『音と香りは夕暮れの大気に漂う』、『アナカプリの丘』、『沈める寺』
・バラキレフ:イスラメイ(東洋風幻想曲)

 シューマンから聴きました。
 21歳のハオチェン・チャンは完璧なテクニックを持ったピアニストでした。
 ただ曲目が知らない曲ばかりなので、感想の書きようもありません。
 若いのに渋いプログラムで、そのために入場者が少ないのは損をしているような気がしました。
 音色は辻井さんの方が澄んで優しいかな、と思いました。

 会場で『ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール 市民が育む芸術イヴェント』という本(吉原真理 アルテスパブリッシング 1800円)が売られておりまして、この本は2009年のヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールの実に優れたドキュメントでした。

 中にコンクール前にたまたま行われたハオチェン・チャンのインタビューが載っていました。
 このコンクールの年齢制限は「コンクール開始日に31歳未満であり、コンクール最終日に19歳以上であること」で、ハオチェン・チャンはコンクールの間に19歳となった最も若い出場者でした。
 辻井さんは2番目に若い出場者だったそうです。

 ハオチェン・チャンは1990年6月3日、上海生まれ。
 3歳9ヶ月でピアノを始め、5歳でデビューリサイタルを開いた。
 勉強もよくできたので学業との迷いもあったが、9歳の時に上海音楽院に合格し、音楽家としての道を歩むことになった。

 2000年、彼が10歳の時にユンディ・リがショパンコンクールに優勝し、中国でピアノを学ぶ子供達に衝撃を与えた。
 ハオチェン・チャンは11歳から深圳で4年間、ユンディ・リの先生である但昭義に学び、多大な上達をした。
 14歳の時にフィラデルフィアのカーティス音楽院に入学し、ランランの先生であるゲイリー・グラフマンに学ぶようになった。

 このインタビューを受けたとき、ハオチェン・チャンは18歳ですが、実に立派な受け答えで、本当に頭の良い、考え深い若者だと思いました。