銀座オペラVol.3 《イル・トロヴァトーレ》 ハイライト
 2014年4月9日(水)7:00PM ヤマハホール

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 「銀座とオペラ」という組み合わせが面白そうなので行ってきました。
 僕なんか「銀座」と聞いただけで、畏れ入ってしまうんですが、久しぶりに笛田博昭さんのマンリーコも聴いてみたいし。

 HPによれば、「半世紀以上にわたって銀座を代表するホールとして親しまれてきたヤマハホールが、2010年春にオープンした新ヤマハ銀座ビルの7~9階に、“アコースティック楽器に最適なコンサートホール”として生まれ変わりました」とのことです。

 定員は333席。
 1階は満席、2階は3割くらいの入りでした。

 銀座オペラVol.3 《イル・トロヴァトーレ》 ハイライト
 2014年4月9日(水)7:00PM ヤマハホール

 レオノーラ :小川里美 <ソプラノ>
 アズチェーナ:鳥木弥生 <メッゾ・ソプラノ>
 マンリーコ :笛田博昭 <テノール>
 ルーナ伯爵:与那城 敬 <バリトン>
 エレクトーン:清水のりこ
 演 出:彌勒 忠史

 支離滅裂なストーリーばかりのヴェルディのオペラの中でも、最も支離滅裂なのは《トロヴァトーレ》でしょう。
 しかしながら最も魅力的な美しいメロディーにあふれているのも《トロヴァトーレ》だと思っています。
 「ハイライト」にピッタリですね。
 
 ステージの下手にエレクトーンが置かれ、奥の壁の前に大きいスピーカーセットが並んでいます。
 舞台は暗く、登場人物にだけスポットライトが当たります。
 服装はドレス、スーツで、マンリーコはシャツにマント。
 演技は本格的なもので、奥の壁には字幕と、(ときどき)炎が映ります。
 
 トロヴァトーレの衣装を着た彌勒忠史さんによる、簡単な説明が、各幕の前に入りました。
 4人のソリストはいずれも美声で、333席という小さいホールのためもあるのでしょうが、声がビンビン飛んできました。

 小川里美さんは舞台姿の美しい方でした。
 笛田博昭さんは「見よ、恐ろしい炎を」の「ハイC」をしっかり決めていただきました。
 笛田さんは翌10日にはこのアリアを2回歌われたそうです。
 白いスーツの与那城 敬さんは、そのままルーナ伯爵に見えました。
 ドレスを着た鳥木弥生さんはアズチェーナには見えませんでした (^_^; 。

 何より驚いたのはエレクトーンの清水のりこさん。
 プロフィールによれば、1992年電子オルガンコンクール全国大会グランプリ。
 クラシックのエレクトーン演奏家として、これまで国内外で数々の演奏会に出演。
 1台のエレクトーンによるオペラ、現代音楽作品、協奏曲、他楽器、他ジャンルとのコラボレーションなどに取り組む。

 オーケストラのすべて(打楽器まで含む)をエレクトーン1台で演奏して、迫力のあるサウンドを聴かせていただきました。
 清水さんの創り出す積極的な音楽性にも圧倒されました。
 1階後方の座席に、ミュージカル公演でよく見る、サウンドをコントロールする機械が置かれていました。
 エレクトーン1台でこれほどの伴奏が出来るのなら、室内オペラ公演で、オーケストラやピアノの出番が減りそうな気がしました。

 終演後にお見送りがあり、笛田さんとお話することが出来ました。
 重要情報!

 6月8日に東京オペラシティコンサートホールで行われる「リナ・ヴァスタ先生とのジョイントコンサート」が、名古屋のしらかわホールでも行われるそうです。
 新幹線のチケット代が助かりそうです (^_^) 。