名フィル第412回定期演奏会「シベリウスのオリジナル」
2014年4月19日(土)4:00PM 愛知県芸術劇場コンサートホール

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 名フィルの新シリーズが始まりまして、名付けて「ファースト」シリーズ。
 いろいろな作曲家の「1番」を演奏していくというマニアックなシリーズです。
 これでは地元の定期会員が減って、他の地域からマニアックなファンが来るのだろうなと予測していますが、3階席は大分寂しい感じになっていました。

 こういう時こそ地元の音楽ファンとして支えていかないとね。
 そして、新しい経験をさせてもらわないとね。
 しかし、本日のプログラムには「1番」がありませんでした (@o@)。

 開演前にロビーで黒い服を着た外国人が立って、挨拶をしていました。
 何者かと思えば、打楽器の新入団員だそうです。
 ジョエル・ビードリッキーという1982年生まれのアメリカ人で、兵庫芸術文化センター管弦楽団を卒業して、名フィルに入団したそうです。
 観客に溶け込もうとする姿勢にとても好感を持ちました。
 出番は1曲目だけでしたが (^_^; 。

 名フィル第412回定期演奏会「シベリウスのオリジナル」
 2014年4月19日(土)4:00PM 愛知県芸術劇場コンサートホール

 指揮:ユッカ・イーサッキラ
 ヴァイオリン:三浦文彰

 サロネン:ギャンビット(日本初演)
 シベリウス:ヴァイオリン協奏曲(1903年オリジナル版)
 シベリウス:交響曲第5番(1915年オリジナル版)

 今回のテーマは「シベリウスのオリジナル」。
 楽譜はユッカ・イーサッキラの口利きで、ラハティ交響楽団から貸し出されたものだそうです。

 三浦文彰さんは東京都出身。
 2009年ハノーファー国際コンクールにおいて、史上最年少の16歳で優勝し、大きな話題となりました。
 ザハール・ブロン、ジャン=ジャック・カントロフ、チョー・チャン・リンらに師事する。

 オリジナルのヴァイオリン協奏曲は時々変わったメロディーが出てきました。
 三浦文彰さんのヴァイオリンはきちっと弾けているけれど、力強さが足りないのかな、マーティン・ブラビンズの指揮に感じるジェントルマンという言葉が浮かびました。
 
 ところが、ソロアンコールが凄かった。
 パガニーニ作曲、パイジェルロの『水車小屋の娘』の「うつろな心」による変奏曲、というソロの曲でしたが、左手のピッチカートとか、難しい演奏技巧を完璧に弾きこなし、畏れ入りました。
 楽器はイエロー・エンジェルから貸与されたガダニーニ(1748年)だそうで、宗次オーナーの財力は計り知れませんね。

 交響曲第5番は現行版も聴いたことがあるかどうか分からないのに、オリジナル版を聴かせていただいても、どうしようもありません。
 第4楽章でホルンの三拍子が出てきて、「ここは聴いたことがある!」と思い出したくらい。

 フィンランドの指揮者ユッカ・イーサッキラはストックホルム音楽大学を卒業し、マーティン・ブラビンズ、エサ=ペッカ・サロネン、アラン・ギルバートらに師事した。
 もっと知っている曲で聴いてみたい指揮者でした。