ミュージカル《エドウィン・ドルードの謎》
2016年5月7日(土)1:00PM 中日劇場

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 『クリスマス・キャロル』『オリヴァー・ツイスト』で有名なチャールズ・ディケンズ(1812~1870年)による未完の小説をミュージカル化した作品。

 公式HPによれば、
 青年エドウィン・ドルードは婚約者ローザ(平野綾)と結婚をしたら、エジプトに引っ越して起業しようと計画していた。
 しかし、エドウィンの叔父でローザを秘かに執着的に愛するジャスパー(今拓哉)、同じくローザに一目ぼれしたインド出身の青年ネヴィル(水田航生)、そしてローザといわくがありそうな阿片窟の女主人パファー(保坂知寿)など、様々な人物の思惑が入り乱れ、彼らの周りには不穏な空気が漂っている。
 外は荒れ模様のクリスマスの夜、ジャスパー宅で行われたパーティ。
 その翌朝、エドウィンが行方不明になってしまった。

 ディケンズは、この続きを書くことなく亡くなってしまった。
 それでは続きは一体どうなるのか? エドウィンを殺した犯人は誰なのか? そもそもエドウィンは本当に死んだのか?
 ここから先を決めるのは、観客であるアナタ! “ロワイヤル音楽堂”の俳優達が演じる登場人物から、客席の皆様の投票制で犯人を選出。
 他にもハッピーエンドで終わるためのカップル役を選んだり、その組み合わせはなんと288通り! あなたの1票が物語を決めるのだ!
 よくよく考えると怪しい人物だらけのこの物語。
 鬼才・福田雄一ワールド全開による笑いの渦に巻き込まれながら、推理とひらめきで犯人を決めるのも良し、一押しキャストの出番を増やすために投票するも良し。
 今宵の結末は、果たしてどうなることやら…。

 ミュージカル《エドウィン・ドルードの謎》
 2016年5月7日(土)1:00PM
 中日劇場

 原作: チャールズ・ディケンズ
 脚本・歌詞・作曲: ルパート・ホームズ
 上演台本・演出: 福田雄一

 支配人/トーマス・サップシー市長:山口祐一郎
 エドウィン・ドルード:壮 一帆(そう かずほ)
 ローザ・バッド:平野 綾
 ネヴィル・ランドレス:水田航生
 ヘレナ・・ランドレス:瀬戸カトリーヌ
 クリスパークル牧師:コング桑田
 ジョン・ジャスパー:今 拓哉
 プリンセス・パファー:保坂知寿

 チラシを見て、この作品は面白くなさそうだと思ったのですが、山口祐一郎さんが出るのなら一度は見ておかなくては、という義務感で行ってきました。
 ファンですからね。

 物語は“ロワイヤル音楽堂”という劇団の内輪話。
 その中でミュージカル《エドウィン・ドルードの謎》が演じられるという形式でしょうか。

 山口さんは支配人役で、物語の進行役。
 ハイテンションの奇矯な演技が素の山口さんそのもので、適役と言うしかありません。
 ほどんど出突っ張りでしたが、歌についてはソロナンバーがあったかどうかさえ、覚えていません。

 壮 一帆さんは、宝塚退団後の初舞台だったようです。
 平野 綾さんは名古屋市出身。中村日赤病院で生まれたそうです。

 犯人役を誰にするかは、会場で観客の投票によって決められ、投票箱も回ってきましたが、本当に数えているのでしょうか?
 役者さんたちは結果を知らないようでしたが、舞台監督?が勝手に決めていても分かりませんよね。
 東京オリンピックのエンブレムで国民アンケートで最下位だったデザインが、委員会では1位を獲得したときのような、違和感を感じました。

 作品としては内輪話のパロディーが主で、けっこう笑いました。
 音楽もありましたが、魅力的な曲は無く、あまり覚えていません。
 上演時間は休憩込みで3時間と、中身の無い割りには長い作品だと思いました。