ベトナム版《蝶々夫人》である《ミス・サイゴン》は大好きなミュージカルなんですが‥‥。 今回は１９９２年の初演からエンジニアを演じられた、市村正親さんのエンジニア役引退の記念公演です。 １月２２日（日）のマチネがその日にあたり、全国からファンが名古屋に集まることでしょう。 １９９２年の初演から軽く１０回以上は見ていますので、今では新しいキャストを中心に見るようにしています。 初演では帝国劇場に巨大な装置を作り、コンピューター制御するなど、ニコラス・ハイトナーの演出には度肝を抜かれたものですが、帝国劇場以外での公演は出来なかったわけです。 ２０１２年からローレンス・コナーの新演出で、舞台は簡素化され、地方公演が出来るようになりました。 今回はヴァン・ダー・スプイという演出補による新演出だそうですが、これが不味い。 地方公演に対応するためでしょうか、舞台装置がますます貧相になっています。 会場の愛知県芸術劇場大ホールはオペラハウスで、客席は２５００。 １８９７席の帝国劇場とはサイズが違うわけで、舞台自体が小さい小さい。 地方公演に合わせてオーケストラも縮小され、その編曲には違和感がありました。 何より、部分部分で音楽がカットされているのです。 新妻聖子さんが一生懸命ブログで説明していた、シュルツ大尉の「いいケツ！（ｇｏｏｄ ａｓｓ）」とかね (^_^ゞ。 他にも、ぶつ切れの舞台を見せられているような不快感がありました。 決定的に不味いのは、現在演じられているのがいつで、どこなのかが全く表示されないこと。 昔はちゃんと字幕が出ていたのに。 これでは、初めて見る人にはストーリーが分からないでしょう。  ミュージカル《ミス・サイゴン》 ２０１７年１月２０日（日）０：３０ＰＭ ２０１７年１月２０日（日）６：１５ＰＭ 愛知県芸術劇場大ホール マチネ ソワレ エンジニア：市村 正親 ダイアモンド☆ユカイ キ ム ：キム・スハ 笹本 玲奈 クリス ：上野 哲也 小野田龍之介 ジョン ：パク・ソンファン 上原 理生 エレン ：三愛 千愛 知念 里奈 トゥイ ：神田 恭兵 藤岡 正明 ジ ジ ：池谷 祐子 中野加奈子 エンジニアの市村正親さんは何度も見ていますが、いつも同じ演技で驚きが無い。 初めて見るダイアモンド☆ユカイさんは、お手本どおりに演じているようで、自分なりのエンジニアを創り出していただきたいものです。 それでも後半では調子が出てきて、「アメリカン・ドリーム」では歌って踊って頑張っていました。 最後に階段に突っ伏して慟哭したのは、キムとの絆を感じて良かったですね。 新しいキムのキムさんはロンドン公演のアンサンブルで、キムも演じられたというキャリア。 素晴らしい歌声でしたが、セリフが聞き取りにくいところもあったでしょうか。 残響が多い会場だし、セリフも変わっていましたからね。 「あなたあの頃ベトコン」って、どのように変更されていましたか？ 聴き取れた方はぜひ教えて下さい。 kfd00727@nifty.con でも、僕にとって最高、完璧なキムは新妻聖子さん。 今回は年齢制限でしょうか？ 僕としては、いくつになっても演じ続けて欲しいですけれどね。 最後の頃は神がかっていましたからね。 御本人もブログで「記録として残したい」と書いておられましたが、叶わなかったのは残念でした。 クリスの上野哲也さんは唸り声で、清潔感がありませんでした。 小野田龍之介さんは良かったです。 初めてのジョン：パク・ソンファンさんは良かったです。 知念里奈さんのエレンは冷たかった。 トゥイは神田恭兵さん、藤岡正明さんとも素晴らしかった。 ぼくは、親の決めた許嫁のキムを愛し抜き、祖国のために戦い、新政府の高官に上り詰めるこの青年が大好きで、彼の悲劇には涙せずにはいられません。 マリリン・モンローの露出度が高くなったようですが、僕はそこまでサービスしていただくても結構です。 痛ましくてね。 詰まるところ、《ミス・サイゴン》はアメリカ大使館のドライバー（クリス）とベトナム人売春婦（ミミ）のお話でしょう。 兵隊や船員など男の集まる場所で、売春婦が商売するのは世界の常識でしょう。 第二次大戦後の東京だって、パンパンと呼ばれた売春婦がアメリカ占領軍のお相手をしてたわけで、だからといって日本はアメリカ大使館の前に日本人売春婦の像を建てたりはしないでしょう？ ベトナム戦争時代には韓国兵によるベトナム女性大量強姦事件もあったそうだし。 それなのに、自分たちだけが被害者だといって、慰安婦像を釜山の領事館の前に建てたりする韓国人は、普通の神経ではない思うな。 それから、前に愛知県芸術劇場大ホールはミュージカルには大き過ぎると書いたけれど、それどころではありません。 中日ビルが老朽化による立て替えにあたり、中日劇場を止めてしまうそうです。 つまり、名古屋ではミュージカルが出来る劇場が無くなってしまうんですよ。 困ったものです。 ※女優の笹本玲奈（３１）が１月２３日、自身のブログを更新し、かねてから交際していた一般男性（３５）ときょう結婚したことを発表した。 笹本はきのう２２日に出演していたミュージカル『ミス・サイゴン』の全国公演の大千秋楽を迎え、一夜明けたきょう２３日に都内区役所に2人で婚姻届を提出した |