《蝶々夫人》 英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン
 2017年5月27日(土)2:00PM TOHOシネマズ名古屋ベイシティ

「REVIEW17」に戻る  ホームページへ
  
 
 英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン
 《蝶々夫人》2017年5月27日(土)2:00PM
 TOHOシネマズ名古屋ベイシティ

 指 揮:アントニオ・パッパーノ
 演 出:モーシュ・ライザー/パトリス・コーリエ

 蝶々夫人:エルモネラ・ヤオ
 ピンカートン:マルセロ・プエンテ
 スズキ:エリザベス・デション
 シャープレス:スコット・ヘンドリックス
 ゴロー:カルロ・ボッシ

 この『英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン』は全くPRがされておらず、客席は5人でした。
 この状況だと、画面の音がうるさいです。
 舞台は障子で囲まれ、4分割された後ろの障子がアップダウンして、古い長崎の写真が映されたりします。

 エルモネラ・ヤオは2010年の英国ロイヤル・オペラ来日公演《椿姫》の交代騒ぎで名前は聞いたことがあります。
 顔が長く口が大きい、濃厚な化粧もあって(特にアップの時など)オカルティックな印象がありました。
 第二幕以降は素晴らしかったです。

 ピンカートンのマルセロ・プエンテはよく通る声でしたが、柔道の篠原前監督に似ているようで、浮気者には見えませんでした。

 スズキのエリザベス・デションは肥満気味。
 僕はスズキという役に興味を持っています。
 「ある晴れた日に」に絡んで欲しい、自決を決意した蝶々さんに縋り付いて欲しいなど、いろいろあるのですが、エリザベス・デションは豊かな声で、僕の希望すべてを満たしてくれました。
 理想のスズキです。
 カーテンコールで主役並みの拍手を受けていました。

 デションはグラインドボーン音楽祭でもスズキを歌い、好評を博したそうです。
 どちらかの映像を商品化していただきたいものです。

 カーテンコールといえば、METライブビューイングを見てみると、METではピンカートンには「ブーイング」を浴びせかける慣習があるようです。
 今回のロイヤルオペラハウスのピンカートンも「ブーイング」を受けていました。
 スカラ座公演の録画をチェックしてみると、ピンカートンに対する「ブーイング」は数名でした。