シャルル・デュトワ 《サロメ》(演奏会形式)
2019年6月8日(土)3:00PM  フェスティバルホール

「REVIEW19」に戻る  ホームページへ
 
 
 第57回大阪国際フェスティバル2019

 R・シュトラウス《サロメ》(演奏会形式)
 2019年6月8日(土)3:00PM
 フェスティバルホール

 指 揮:シャルル・デュトワ
 管弦楽:大阪フィルハーモニー交響楽団

 サロメ:リカルダ・メルベート
 ヘロデ:福井敬
 ヘロディアス:加納悦子
 ヨカナーン:友清崇
 ナラボート:望月哲也
 ヘロディアスの小姓/奴隷:中島郁子
 ユダヤ人1:高田正人
 ユダヤ人2:菅野敦
 ユダヤ人3:児玉和弘
 ユダヤ人4:岡本泰寛
 ユダヤ人5:畠山茂
 ナザレ人1/カッパドキア人:北川辰彦
 ナザレ人2:秋谷直之
 兵士1:大塚博章
 兵士2:斉木健詞

 尾高忠明さんが闘病生活に入られ、代わりにセックススキャンダルで世界の楽壇を追われたシャルル・デュトワが《サロメ》を指揮するとのことで、大阪まで行ってきました。
 新大阪駅からフェスティバルホールまでは、タクシーで1600~1700円でした。

 これは期待どおりの素晴らしい演奏となりました。
 特にサロメがヨカナーンの首を手に入れてからの長いソロは、リカルダ・メルベート(ドイツ人)がその実力を遺憾なく発揮し、デュトワ指揮する大阪フィルの強奏をものともせず、その声が飛んでくる。

 カーテンコールは熱狂的で、まるでリカルダ・メルベートのワンマンショーの趣となりました。

 今回の上演は演奏会形式なので出番が来ると登場し、出番が終わると退場するいう流れでしたが、このオペラはおかしな演出を付けられるより、これで十分でしょう。

 そういえば東京二期会は本日もオペラ《サロメ》を上演しているようですが、演出はどんなものだったのでしょう?

 メルベート以外のキャストも好演でした。
 ヨカナーン役の友清崇さんは初めて聴きましたが、地下牢の中ではスピーカーを通してでしたが、舞台上に現れても立派な声でした。
 
 福井敬さんのオペラティックな歌唱も、流石のベテランです。
 
 デュトワ指揮の大フィルも熱い演奏を繰り広げ、僕としてはMe-Too 運動のおこぼれに預かったような心境でした。

 僕は2階席で聴きましたが、傾斜が緩いため、前の人の頭が邪魔で舞台が見えません。
 「新しく大金をかけて欠陥劇場を作ってしまったな」と残念に思いました。

 ロビーの二階からは堂島川を見下ろすことが出来、「白い巨塔」の主人公である浪速大学第一外科、財前教授の気分を味わうことが出来ます。
 この小説は最近も岡田准一さん主演でテレビドラマ化されたようですが、僕は権力欲がギラギラした佐藤慶さんの財前五郎が最高だったと思っています。
 どこかに映像が残っていないものでしょうか。

フェスティバルホール 2階ロビーから