オッフェンバック生誕200年《ホフマン物語》
2019年7月27日(土)6:00PM 宗次ホール

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 台風6号直撃の暴風雨の中、宗次ホールの《ホフマン物語》に行ってきました。
 1階は7割、2階は2割の入りでしょうか。
 台風で観劇を諦めた人がいるような気がします。

 ちなみに、出演者の皆さまは本日の新幹線で来られたそうで、新幹線の運転中止の可能性もあるのに度胸があるなと思いました。

 オッフェンバック生誕200年《ホフマン物語》
 演奏会形式/原語上演/字幕付き
 2019年7月27日(土)6:00PM
 宗次ホール

・ホフマン:青柳素晴
・オランピア/アントニア/ジュリエッタ/ステッラ:天羽明惠
・ミューズ/ニクラウス/アントニアの母:鳥木弥生
・アンドレ/コシュニーユ/フランツ/ピティキナッチョ:小山陽二郎
・リンドルフ/コッペリウス/ミラクル/ダベルトゥット:須藤慎吾
・クレスペル/シュレミル:大澤恒夫
・スパランツァニ:石塚幹信
・ナタナエル:村田耕太郎
・アンサンブル/菊地里美
・ピアノ:江澤隆行

 舞台に4台の譜面台が並んだ、純粋な演奏会形式。
 天羽さんは各役毎に衣装を替えて、台風の中運搬が大変だったろうと推察しました。
 鳥木さんはオスカル風。

 このホールでオペラが上演されるのは初めてでしょうか。
 大変画期的な試みかと思い、これからも続けて頂きたいと願うものであります。

 しかしながら、今回の《ホフマン物語》は辛かった。
 全5幕と上演時間が長く(開演6:00PM、終演8:40PM)、ストーリーが分散して分からない。
 『舟歌』などが有名ですが、全体的に退屈な部分が多い。

 僕は舞台全体を見渡すために2階の最後列で聴いたのですが、2階は2割しか人が居ないのに蒸し暑く、扇子やプログラムで扇いでいる人が多かった。
 休憩時間にジュースを売っていた宗次オーナーに「一度2階で聴いてみて下さい」とお願いしてみたのですが、「2階は暑くなってしまうんですね」という連れない返事。
 客の要望に応えるのが正しいホール運営者だと思うんですけれどもね。

 後半は曲の長さと、蒸し暑さに疲労困憊しました。
 よくよく見渡すと、2階には空調設備が無いのかも知れません。
 皆さまがチケットを買うときの参考にして下さい。

 僕の海外オペラ体験の始めは、1980年8月18日、ザルツブルグ音楽祭大ホールで観た《ホフマン物語》。
 演出はジャン・ピエール・ポンネルのガラスを使った世評に高いものでしたが、ヴェニスの場面なんか、布の上に人を乗せて(まあゴンドラのつもりなんでしょうが)引きずるものですから、ズルズルという音がうるさかったりして。
 当たり役といわれるドミンゴのホフマンでしたが、演出だけでなく、話は分からない、音楽は印象に残らない、ということで早く終わってくれるのをひたすら待つ辛い体験になってしまいました。

 名古屋二期会では10月5日(土)、6日(日)に《ホフマン物語》の上演が予定されています。
 チケットは手配済みですが、こんな苦しい思いをするのなら行くのを止めようかな?なんて思ってしまいます。
 指揮の園田隆一郎さん、演出の中村敬一さんに期待でしょうか。