名フィル475回定期 楽劇《ニーベルングの指環》より[沼尻版]
2020年1月18日(土) 4:00PM  愛知県芸術劇場コンサートホール

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 沼尻竜典さんの《ニーベルングの指環》(びわ湖ホール)チクルスは全て聴いていますが、重苦しいテンポで、盛り上がらないことが多い。
 しかし名フィルが《ニーベルングの指環》を演奏するのなら行かなくては。

 名古屋フィルハーモニー交響楽団第475回定期演奏会
 2020年1月18日(土) 4:00PM
 愛知県芸術劇場コンサートホール

 指揮:沼尻竜典
 チェロ:パブロ・フェランデス

◇シューマン:チェロ協奏曲イ短調
 シューマンのチェロ協奏曲は自分でもオケで演奏したことがありますが、退屈な曲でした。
 そして、今日も退屈しました。
 ソリストのフェランデスはスペイン出身。
 チャイコフスキーコンクール入賞。
 あまり響かないけれど深みのある楽器だなと聴いていたら、ストラディヴァリウスの「ロード・アイレスフォード」という、ピアティゴルスキーやシュタルケルも弾いた楽器だそうです。
 日本音楽財団『ストラディヴァリウスシリーズ』ということです。
 ソロ・アンコールは『鳥の歌』でした。

◇ワーグナー:楽劇《ニーベルングの指環》より[沼尻版]
 ・序 夜《ラインの黄金》より序奏、「ヴァルハラ城への神々の入城」
 ・第1日《ワルキューレ》より「ワルキューレの騎行」、「魔の炎の音楽」
 ・第2日《ジークフリート》より「ジークフリートの角笛」、「森のささやき」、「ブリュンヒルデの目覚め」
 ・第3日《神々のたそがれ》より「ジークフリートの葬送行進曲」、終幕(ブリュンヒルデの自己犠牲)

 「魔の炎の音楽」の途中で、1番ホルンの安土さんが舞台から出ていきました。
 楽器の調子でも悪いのかな?と見ておりましたら、舞台裏で始まったのが「ジークフリートの角笛」の長大なソロ。
 この曲はもともとはプログラムにはなかった曲で、安土さんのために増やしたのなら、すごいことですね。

 しかし、出演者一覧表を見ると、ホルン(ワグナーチューバ)は8人のうち団員は2人、オーボエには正団員がいません。
 どうも東京のオーケストラから客演奏者を招いているようです。

 バラバラのメンバーも《神々のたそがれ》になると纏まってきまして、「ジークフリートの葬送行進曲」から終幕(ブリュンヒルデの自己犠牲)にかけて、素晴らしいクライマックスとなりました。
 3月の「びわ湖ホール」が、俄然楽しみになりました。