愛知室内オーケストラ フランス・プログラム・シリーズ
2021年5月1日(土)6:45PM しらかわホール
 
「REVIEW21」に戻る  ホームページへ
 
 
 愛知室内オーケストラ
 フランス・プログラム・シリーズ

 2021年5月1日(土)6:45PM
 会場:三井住友海上しらかわホール

 指揮:矢崎 彦太郎
 バソン:小山 清

 ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
 ドビュッシー:小組曲
 ジョリヴェ:バソン、弦楽合奏、ハープとピアノのための協奏曲
 
 ==休憩==
 ラヴェル:組曲『「マ・メール・ロワ』
 ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
 ラヴェル:クープランの墓

 午後4時頃からバケツをひっくり返したような大雨になり、落雷も激しく、一時はコンサートを諦めました。
 静岡では竜巻で家が壊れたそうです。

 5時頃から雨も止んできたので出発。
 6時過ぎには青空も見えてきました。
 結論から言って、このコンサートは行って良かったです。

 愛知室内オーケストラは2002年に愛知県立芸術大学卒業が中心となって結成された、愛知県第4のプロのオーケストラ。
 県芸卒業生だけあって技術的レベルは高い。
 今までは新田ユリさんの指揮で北欧ものを中心にコンサートをしていました。
 本年度から方針が変わったようです。

 矢崎 彦太郎さんはフランス物を得意とする指揮者ですが、最近名前を聞かない。
 フランスに住んでおられるそうです。

 前半にはジョリベの「バソン、弦楽合奏、ハープとピアノのための協奏曲」がありました。
 バソンといえば『のだめ・カンタービレ』に出てくる「焼きトリオ」のポールくん。
 1970年にカラヤンがパリ管の音楽監督になってから、パリ音楽院管弦楽団などに残っていたバソンの文化は絶滅危惧種となってしまいました。

 本日のソリスト小山清さんは日本の第一人者。
 その形はファゴットに似ているものの、リード、運指など別の楽器のように難しいそうです。
 僕の印象ではバスーンよりもひなびた音で、あし笛に似ているような気がしました。
 
 『マ・メール・ロワ』を実際に聴いたのは1982年5月20日(木)。
 カルロ・マリア・ジュリーニ指揮のロスアンゼルス・フィルハーモニックでした。
 特に「妖精の庭」、ホルンの3拍子から長いクライマックスまでの音楽の美しさには、僕は痺れて立ち上がれないほどの衝撃を受けました。

 「妖精の庭」のフィナーレ、指揮棒が上に上がって音楽が止まり、そしてオーケストラが解放されてホルンが聞こえ始める部分は、美しさの極みです。
 TVで見たラトル指揮のベルリンフィルの演奏ではホルンがオケに埋もれてしまい、ラトルはこの曲を理解していないと思いました。
 今日の演奏をユーチューブんで流していただきたいものです。

 『亡き王女のためのパヴァーヌ』は我々が中心となって作った学生オケの第一回定期演奏会の最初の曲で、ホルンを吹いたMくんの熱演と、あれから過ぎた日々を思い返すと、冷静に聴くことが出来ません。
 
 愛知室内オーケストラは今後も面白そうなプログラムが並んでいるので、通ってみましょうか。