《蝶々夫人》落語とオペラの融合
電気文化会館 ザ・コンサートホール 2022年11月10日(木)6:30PM

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 蝶々夫人》落語とオペラの融合
 2022年11月10日(木)6:30PM
 会場:電気文化会館 ザ・コンサートホール

 春風亭愛橋:(落語・演出
 百々あずさ:蝶々さん
 村上敏明:ピンカートン
 須藤慎吾:シャープレス
 小林由佳;スズキ
 伊藤貴之:ボンゾ
 中井亮一:ゴロー
 小埜寺美樹:ピアノ

 プログラムの百々あずささん(プロデューサー)の挨拶によれば、「敷居が高いと言われるオペラを落語と融合させる」 試みだそうです。
 これは上手くいっていませんでした。
 このホールは音響が異常に響きやすく、落語家の言葉が聞き取れません。
 また、ほぼ全曲が演奏されたので、その分演奏時間が長くなってしまいます。

 歌手はほぼ藤原歌劇団の本公演のメンバーで、良くこれだけのメンバーを集めたものです。
 ホールの反響が強いため、声がビンビン飛んできます。
 大道具は階段のみ、小道具はジェスチャー。

 百々さんの蝶々さんは結婚式に一人で現れました。
 『ある晴れた日に』以降が予想以上に良かったですね。

 村上さんは髪を染めているのでしょうか、歳を取って見えました。
 一方、須藤さんは若々しく、スタイリッシュ。
 しかし、もう少し役を深めて戴きたかったですね。
 
 小林由佳さんのスズキは大良かった。
 しかし、「ある晴れた日に」は蝶々さんがスズキに「お聞きなさい」と向かって歌う曲ですから、もう少し絡んでほしかった。
 METやコヴェントガーデンのようにね。
 日本ではこんなものでしょうか。
 第3幕の3重唱(スズキ、ピンカートン、シャープレス)は大好きです。

 演技は各役者に任されているのでしょうか?
 中井さんのゴローは彼が名芸大の2年生の時に見たことがあり、芝居上手に驚きました。
 本日も、ほかの歌手が突っ立っただけの時にも、何かしら演技をしていました。

 袈裟懸けのボンゾ(伊藤さん)は迫力がありました。
 ピアノの小埜寺美樹さんは譜めくりまで一人でして、いつもご苦労様です。

 プッチーニは《蝶々夫人》をトッレ・デル・ラーゴで作曲しました。
 その旅行記はこちら。