第9回宗次エンジェルヴァイオリンコンクール本選
2023年3月25日(土)1:30PM

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 第9回宗次エンジェルヴァイオリンコンクール本選
 2023年3月25日(土)1:30PM

 会場に入ってびっくりしたのが1階席がほぼ満席だったこと。
 ヴァイオリンファンって結構多いんですね。
 配られたアンケート(2名選ぶ)で聴衆賞が決定されます。
 2階は審査員席。

 審査委員長
 ピエール・アモイヤル Pierre Amoyal
 審査委員
 小栗まち絵 Machie Oguri
 澤和樹 Kazuki Sawa
 中澤きみ子 Kimiko Nakazawa
 原田幸一郎 Koichiro Harada
 チェン・ジュウ Zhou Qian
 ジェラール・プーレ Gérard Poulet

 第1位から第5位までの受賞者には、3年間楽器を無償貸与されます。
 第1位 A.ストラディヴァリ「レインヴィル」1697年製/賞金200万円
 第2位 M.ベルゴンツィ(EX.ミンツ)1764年製/賞金100万円
 第3位 J.F.プレッセンダ 1840年製/賞金50万円
 第4位 N.ガリアーノ 1765年製作/賞金30万円
 第5位 J=B.ヴィヨーム 1840~1845年製作/賞金30万円

 指 揮:曽我大介
 オーケストラ:中部フィルハーモニー交響楽団

 嬉しかったのは、有名なのにあまり聴く機会の無いヴァイオリン協奏曲を、生のオーケストラで聴けたこと。
 思い返せば人生で最初に買ったクラシックのLPはアルテュール・グリュミオー独奏のメンコン&チャイコンでした。
 宗次ホールは室内楽用のホールですから、中部フィルは第1ヴァイオリンが3プルットの編成でした。
 
 No.8 イ・ユジン 韓国・27歳(13:30~14:10)
 メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64

 この人はちょっとしたフレーズにもクレッシェンド、デクレッシェンドを付けた細やかな音楽作りで、大変気に入りました。
 他の人はコンテスタントだけれども、この人はもう一段階上の人だと思いました。
 また聴いてみたいヴァイオリニストでした。

 No.14 モローズ・ゲオルギ ウクライナ・21歳(14:10~14:50)
 メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64

 折しも3月21日に岸田首相がウクライナを電撃訪問したばかり。
 国会ではお土産が「必勝」の杓文字だったことが問題となっているようですが、小西文書ねつ造事件といい社民党はどうしようもありませんね。

 ゲオルギさんが戦火のウクライナから来たのなら凄いと思ったのですが、シンガポールに留学中だそうです。
 スケールの大きい演奏かと思いましたが、一本調子と感じた部分もありました。

 No.3 橘和美優 きつわみゆ・22歳(15:10~15:50)
 チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35

 この曲は五嶋みどりさんや服部百音さんを聴いているので……。
 正直な話、あまり演奏を覚えていません。

 No.11 イ・ジユン 韓国・24歳(15:50~16:30)
 ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77
 No.16 大野有佳里 28歳(16:45~17:25)
 ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77

 大野有佳里さんの演奏がしっかりした充実した音で良かったと思いました。
 ということで、聴衆賞のアンケートにはイ・ユジンさんと大野有佳里さんを選んだのですが……。

 指揮の曽我大介さんと中部フィルハーモニー交響楽団の皆様、長時間の演奏ご苦労様でした。
 ブラームスの第2楽章のオーボエソロが美しかったですね。
 この曲を2回も演奏できればオーボエ嬢も本望でしょう。
 コンクールにしては珍しく、最後に起立して会場の拍手を受けていました。

 前回聴いたコンクールでは授賞式の後にパーティーがあり、宗次オーナー(CoCo壱番屋創業者)手作りのカレーライスが振る舞われたものですが今回は無し。
 結果は宗次ホールのHPに発表されました。
 僕の評価とは違うようで、このHP《音楽史跡とオペラの旅》をお読みになる方は、これまでもこれからもお気を付けください(^_^; 。

 【1位】橘和美優(きつわみゆ)
 【2位】イ・ユジン、モローズ・ゲオルギ
 【3位】該当なし
 【4位】大野有佳里
 【5位】イ・ジユン
 【中部フィルハーモニー交響楽団賞】
 橘和美優
 【聴衆賞】
 橘和美優

 橘和美優(きつわみゆ)さんは神奈川県出身。東京芸大在学中。
 宮下要、窪田寿子、窪田茂夫、ジェラール・プーレ、大谷康子各氏に師事。
 2020年 第89回日本音楽コンクールバイオリン部門入選
 2021年 第19回東京音楽コンクール弦楽部門第2位及び聴衆賞
 2022年 第8回仙台国際音楽コンクール第5位