名フィル第523回定期演奏会 〈仲間を失う哀しみ〉 指揮:アンガス・ウェブスター ヴィオラ:パク・ハヤン コンマス:小川響子 2024年5月18日(土)4:00PM 愛知県芸術劇場コンサートホール |
![]() 名フィル第523回定期演奏会〈仲間を失う哀しみ〉 2024年5月18日(土)4:00PM 愛知県芸術劇場コンサートホール 指揮:アンガス・ウェブスター ヴィオラ:パク・ハヤン(第5回東京国際ヴィオラコンクール第1位・名フィル賞)* J.ウィアー:ニュー・エヴリ・モーニング[日本初演] ウォルトン:ヴィオラ協奏曲[1961年版]* ドヴォルザーク:交響曲第7番ニ短調 作品70, B.141 今回の公演は新コンサートマスター、小川響子さん(葵トリオ)の就任披露公演”。 名フィルに世界的演奏家が在団しているのは嬉しい。 僕の席は斜めでしたが、実に立派な立派なコンサートマスターでした。 音に芯があり、楽団を引っ張っていく。 できるだけ長く、多く活動していただきたいものです。 ジュディス・ウィアー(女性)の「ニュー・エヴリ・モーニング」は、今回が日本初演となる2022年初演の新しい作品。 ニュー・エディンバラ・オーケストラから「ヴァイオリン奏者が亡くなったので、その追悼と称賛のための作品を」という委嘱を受けて書かれたそうで、サブタイトルの〈仲間を失う哀しみ〉となるわけです。 現代音楽としては聴きやすい曲で、ヴァイオリンソロから始まり、小川さんの就任披露としてピッタリ。 小川さんは会場と団員から盛大な拍手を受けていました。 ヴィオラのパク・ハヤンさんは、1998年韓国生まれ。 2022年月開催の〈第5回東京国際ヴィオラコンクール〉の優勝者で、その時演奏されたのがウォルトンの「ヴィオラ協奏曲」。 その時に名フィル賞を受賞されたことから、今回の共演となったそうです。 柔らかくよく響く、ヴィオラらしい演奏でした。 現在はクロンベル ク・アカデミーにて今井信子に師事しながら、ヨーロッパを拠点に活躍中だそうです。 演奏後ハヤンさんは指揮者と握手をして、小川さんとハグしました。 この二人は昨年共演しておられるそうで、さっそく世界的ですね。 ソロアンコールは「レーガー:無伴奏ヴィオラのための3つの組曲 作品131d 第1番ト短調より第1曲」という曲でした。 指揮のアンガス・ウェブスターさんは、1999年英国コーンウォール生まれの24歳。 2022年5月14日の510回定期演奏会に続く登場です。 コルバーンスクールにおいて初代サロネン・フェローの一人となりエサ=ペッカ・サロネンに 師事 小林研一郎さんや井上道義さんらに較べると脱力系の指揮者かと思いましたが、オケはよく鳴っていました。 僕は同時代にブラームスがいたことがドヴォルザークに悲劇だったのではないかと思っています。 管弦楽法の大家ブラームスには適わないので、第8番、第9番のようなポピュラー路線に走ったのではないでしょうか。 演奏後、指揮者が2回カーテンコールに現れた後、小川さんがお辞儀してオケは解散。 団員も「あれ?」と動揺しているように見えました。 きっぱりしたところが良かったですね。 |