高木東六作曲 オペラ 《唐人お吉》
1996年4月26日(金)6:30PM 名古屋市芸術創造センター

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  高木東六作曲の歌劇《唐人お吉》が、一種のハイライト版として上演されました。

 高木東六作曲 オペラ 《唐人お吉》
 1996年4月26日(金)6:30PM 名古屋市芸術創造センター

 作曲:高木東六   指揮:吉川 朗   演出:太田幸則

 お吉:松波千津子  鶴松:野村富昭  おせん:中須賀悦子
 船頭:安田 健   下田奉行:天野鎮雄

 合唱:コールHAC ザ・シワクチャーズ東海 ザ・シワクチャーズ横浜
 伴奏はピアノとフルート

 物語は、下田奉行の回想の形で進められる。
 伊豆下田の船大工の娘お吉は美しい芸者で、船大工鶴松と将来を誓い合う仲であったが、幕府の役人によってその仲を裂かれ、ハリスの愛人となる。
 彼女は自嘲的な生活を送り、やがて投身自殺をする。

 舞台は3段の雛壇が組んであるだけ。
 ここに紗幕と照明を上手く使って、なかなかの雰囲気を出している。

 例えば第一幕は、紗幕の前でお吉と鶴松の愛の二重唱が歌われ、紗幕の後ろが明るくなると、そこには合唱団が並んでいて、祭りの場面となる。

 この公演は、『HAC総合福祉準備協議会』と『豊かな長寿社会を考える会』の主催、共催で、合唱の『ザ・シワクチャーズ』は60歳以上の女性コーラス。

 主役の二人は、名古屋オペラ協会の公演で、この役を歌ったことがあるそうだ。

 曲は親しみやすい曲が多く、特に最後の、お吉と(夢の中の)鶴松との二重唱は美しい曲だった。
 この場面では、天井から桜の木が現れ、花びらが散ってくる。
 お金がかかっていたのはここだけ。
 それだけに印象的な場面だった。

 カーテンコールの時に、会場に聴きに来ていた、作曲者の高木東六さんが、客席から舞台に招き上げられた。
 足はおぼつかないが、懐かしい『あなたのメロディー』(って知ってる?)の顔。
 91才なのだそうだ。
 
 
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